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世界の本田だ!3大会連続弾&アシストはベッカム含め6人だけ

[ 2018年6月26日 05:30 ]

W杯1次リーグH組   日本2―2セネガル ( 2018年6月24日    エカテリンブルク )

<日本・セネガル>後半、ゴールを決めた本田は岡崎(左)と敬礼ポーズ(撮影・小海途 良幹)
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 やっぱり持ってる!日本代表は24日、W杯ロシア大会1次リーグH組第2戦でセネガルと対戦し、2―2で引き分けた。途中出場のFW本田圭佑(32=パチューカ)が同点ゴールを挙げ、勝ち点1を獲得。3大会連続得点でW杯通算4得点に乗せ、アジア人最多記録を更新した。1勝1分けの日本は25日はキャンプ地カザンで調整。ポーランドとの同最終戦(28日、ボルゴグラード)は引き分け以上で2大会ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。

 W杯男の真骨頂だ。セネガル相手に1点を追う後半33分。本田が“そこ”にいた。乾の左からのクロス。中央で岡崎がつぶれ、そのボールは逆サイドにいた本田の足元へ。左足を豪快に振り抜いた。決勝トーナメント進出をたぐり寄せる同点弾。ぺろっと舌を出し、岡崎と敬礼パフォーマンスだ。

 無類の勝負強さだ。日本代表での得点は16年9月のアジア最終予選UAE戦以来。長い沈黙はW杯で破られた。「えっ、あれから代表で点を取ってないの!?僕的にはもう毎試合パチューカで取ってるくらいのイメージだったんで」。32歳でのW杯ゴールは日本人最年長。3大会連続得点&アシストはベッカムやロッベンに並ぶ史上6人目の快挙で、通算4得点はアジア人最多記録となった。盟友の長友も「やっぱり持っている。W杯に愛された男じゃないですか」と賛辞を贈るしかなかった。

 与えられた環境で最善の準備をする姿勢はいつも変わらない。主将を務めた星稜高時代、全体ミーティングでの定位置は河崎監督の目の前。不遇をかこったミラン時代はベンチから「モンテッラ(監督)よりも監督のつもりで試合を見ていた」。セネガル戦は失点直後の後半27分に投入されても冷静沈着。乾らピッチ上の選手たちに「左を使え」と助言。その意識が同点弾への呼び水となった。「これだけサブを前向きに考えられたサッカー人生なんてない。W杯がそうさせてくれる」。集大成の3度目の大舞台。切り札としての役割を全うした。

 W杯の借りはW杯でしか返せない。優勝を掲げながら惨敗した前回大会。最後となったコロンビア戦の夜、宿舎には眠りにつけない本田と岡崎がいた。次の4年間どうするかの議論は朝にまで及んだ。個の力や対応力が足りない…。1勝もできなかった悔しさが2人をヒートアップさせた。「自分の長所、攻撃のパートに特化した」。昨年7月には単身メキシコに渡り、得点力を磨いた。ブラジルで描いた青写真が今に生きている。

 今大会直前の監督交代劇に、敗北続きの直前調整。世間から猛烈な批判を受けた。「僕は叩かれることに感謝している、楽しんでいる部分もある。けど、そうじゃない人もたくさんいる」。チームの批判を一身に背負い込み、逆境でこそ真価を発揮する。25日の練習ではサブ組と調整。鋭いシュートなどで感触を確かめた。さあ、次はベスト16を決める1発。日本の進撃は希代の大黒柱とともにある。

 ≪2度の同点劇は過去6大会で8戦だけ≫32チームが出場となった98年フランス大会以降、2度追いついた例は多くはない。日本―セネガル戦(△2―2)は6大会で8試合目だった。なお、今大会はスペイン―ポルトガル戦(△3―3)に続いて2試合目。

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