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岡田監督「どこかに消えます」退任表明、充電へ

[ 2010年7月1日 06:00 ]

プレトリアのホテルスタッフに手を振る岡田監督

 【W杯決勝トーナメント1回戦 日本0-0(PK3-5)パラグアイ】日本代表の岡田監督が退任を表明した。パラグアイ戦終了後に「選手たちを勝たせてやれなかったのは私の責任」と話し、監督続投について「恐らくもうやることはないと思う」と答えた。「(世界を)勝って驚かせようと言っていた。満足はしていない」と無念さを口にした。

 PK戦で敗れたが、策は尽くした。0―0の終盤、岡崎、中村憲と攻撃のカードを切った。南米の強豪を最後まで苦しめた。試合後は宿舎で最後のミーティングを行い「ありがとう」と選手、スタッフに感謝した。そして座右の銘「人間万事塞翁(さいおう)が馬」を口に出した。人生は予測ができないものだから何が起きても安易に喜んだり悲しむべきではない。最後のメッセージとして残した。
 一夜明けた30日の会見では「感傷に浸るというよりね…。ぜいたくを言わせてもらえれば、もう1試合やらせたかったなというのが大きい。寂しい気持ち」と目を充血させて話した。自身2度目のW杯で自国開催以外では初の16強進出を成し遂げた。ただ「4強」の目標を掲げてきただけに志半ばで南アフリカを去る悔しさが胸を突いた。
 病に倒れたオシム前監督の後を受け07年11月に就任してから約2年7カ月。家族の反対を押し切って98年に続いて再登板したが、重圧は予想以上だった。2月には解任騒動が起きた。5月の韓国戦後には「進退伺」発言が物議をかもした。精神的に疲弊していた。
 今後について問われると「どこかに消えます」と話し「オレはこれ以上、日本のサッカーを背負えない。当分はサッカーのことを考えたくない」と当面はサッカーから離れて充電する意向を示した。将来的な現場復帰については「代表監督はもうない。クラブ?分かんないね」と語った。
 「監督として一番うれしかったこと?カメルーン戦に勝ったときかなあ」と振り返ると表情が和らいだ。日本人監督としてW杯で初めて勝った。列島に歓喜をもたらした指揮官が使命を終えた。

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2010年7月1日のニュース