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岡田監督 退任表明も“指揮官の顔”崩さず

[ 2010年7月1日 20:14 ]

 サッカー日本代表を率いる苦悩を2度も背負ってきた岡田武史監督(53)が帰国し、選手とともに記者会見した。「もう1試合やらせてやりたかった。わたしの中で一、二を争う素晴らしいチーム」「選手たちを誇りに思う。幸せ」。重圧から解放されたはずなのに、硬い“指揮官の顔”をほとんど崩さなかった。

 「山あり谷ありのW杯だったか」と問われ、こう答えた。
 「チームは生きもの。予定通りにはいかない。(アジア)予選で頑張っても、W杯本大会のメンバーに入っていない選手もいる。それは仕方ないこと。苦しんだことはたくさんありました」
 日本がW杯に初出場した1998年。誰もがエースとみていた三浦知良選手(43)をメンバーから外した。バッシングもあった。元日本代表で京都サンガ・コーチの秋田豊さん(39)は「代表監督は責任が大きい。ストレスもある。しかも、判断しなくてはならない。表情が硬くなるのは仕方がない」と話す。
 PK戦にもつれ込んだW杯南ア大会のパラグアイ戦。監督、コーチらも肩を組んで行方を見守っていた。駒野友一選手(28)が外した瞬間、ひざをつくスタッフらの中で、1人だけまゆ一つ動かさず、ピッチに立ち尽くしていた。
 会見の後半は今後の去就についての質問が相次いだ。「オファーをもらっていない」「先のことは考えていない」と苦笑い。「(代表監督を)4年やるパワーはまったくない」と言い切った。
 岡田監督の印象について本田圭佑選手(24)が「普段厳しいけど温かい」と話すと、表情を一変させ照れ笑い。若い森本貴幸選手(22)に「彼は南アフリカの歌を歌いたいらしいです」と話題を振って、笑いを誘った。
 会見後も取材に応じ「もうサッカーのDVDを見なくてすむ。ちょっと離れたいと思う」。ほっとした表情を見せた。

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2010年7月1日のニュース