無敵艦隊浮上！“ビジャ“美しすぎる”８強弾！

後半１８分、決勝点を決め、ガッツポーズで喜ぶスペインのビジャ

　【Ｗ杯決勝トーナメント１回戦　スペイン１－０ポルトガル】決勝点で“らしさ”を存分に見せつけた。後半１８分、密集でイニエスタの縦パスを受けたシャビはゴールを背にしながら右足アウトにかけて左サイドに送る。オフサイドすれすれで抜け出したビジャはいったん左足シュートをＧＫに阻まれながら、はね返ったボールを右足で突き刺した。

　「幸いにもゴールを決められて満足。われわれは自分たちを信頼しているし、勝つにふさわしい試合をした」。３戦連発の４ゴールで得点王争い首位に並んだビジャは、満面の笑みで２大会ぶり８強に導く一撃を喜んだ。
　相手の間げきを縫ってショートパスをつなぐ芸術的な連係。ポルトガル戦のパス成功率は８４％に上り、相手の２倍以上の６３５本を通した。試合ごとに連係は深まり、４試合の通算成功率はブラジルを抑えて８１％でトップ。この日はバルセロナのイニエスタとシャビ、バレンシアからの移籍で来季からチームメートとなるビジャによってゴールにつながった。前半は相手の強い当たりにてこずったものの、信念は曲げなかった。マン・オブ・ザ・マッチのシャビは「ボールキープを優先し、自分たちのスタイルを貫いた」と振り返った。
　２年前の６月２９日には欧州選手権決勝でドイツを破り、４４年ぶりの優勝を飾った。その“記念日”にＷ杯初対戦のポルトガルを退け、悲願の初優勝に一歩前進した。デルボスケ監督は「われわれがこのようにプレーすれば、相手チームがコントロールするのは難しい」と手応えをつかんでいる。無敵艦隊が“万年優勝候補”のレッテルをはがすチャンスを迎えた。