G1地区選手権

【G1四国地区選】四国の両雄いざ激突

[ 2014年2月8日 05:30 ]

この大会V2、まるがめG1の4勝目を狙う田村隆信
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 今年はバレンタイン決戦だ! ボートレースまるがめのG1「第57回四国地区選手権競走」は9日から14日までの6日間開催。香川支部と徳島支部の精鋭が激しいV争いを繰り広げる。中でも、初日12Rの「骨付じゅうじゅうドリーム」と2日目12Rの「うずしおくんドリーム」と2つのドリーム戦に出場する12選手が中心となる。四国は全国で最も女子の層が厚い地区。女子の活躍にも期待しよう。

◇森高、地元で加速

 昨年11月の津チャレンジカップでSG初優勝。それも初日4着の後に1着を6つ並べての圧巻V。三嶌誠司以来、香川支部7年ぶりのSGウイナーとなった。

 ところが、待望のSGを勝ったものの約20万円の差で賞金ランクの上位12人入りを逃して賞金王決定戦に進むことはできなかった。

 「あの状態のまま賞金王に行っても、最後の6人には残れてなかったと思う。1年しっかり走って結果を出さないと」

 自分を冷静に見つめ直して2014年への再出発を誓った。昨年の賞金ランク12位の斉藤仁はG11勝、SGは2優出していた。一方で森高はSG優勝こそあったものの、それ以外の特別戦はG1の2優出のみ。1本の“ホームラン”だけでなく、堅実に長短打を放っておかないとグランプリ(賞金王決定戦)出場、ファイナルには届かない。そのために「常に内容のあるレースをしたい」。常に勝ち続けるのは不可能なボートレースだけに、敗戦の中にも価値を見いだせるレースをしたいと話す。

 そして、SGを勝った選手が必ず聞かれるのが『SGを勝って何か変わったことは?』との問いだ。

 「何が変わったか、むしろこちらが聞きたい。あえて言うなら陸の上での過ごし方、気の持ち方やろうか? 『勝ちたい』という気持ちが強いだけで勝てるものでもないし。ただ、“順番”が来たときに獲れる準備は常にしておかんと」

 今年から賞金ランク18位まで出場できるようになったグランプリ。とはいえ、最終目標は6人に残って決定戦を勝つことだ。そのために1年を通じて結果を出して、ランク上位で賞金王決定戦に進みたい。まずは地元で行われるこの大会で波に乗りたい。そのためにも、初日12Rの『骨付じゅうじゅうドリーム』は負けられない。

◇田村、ドル箱水面

 昨年は四国地区からただ1人、賞金王決定戦進出を決めた。そしてトライアルでは回り込みあり、強スタートあり、アッと驚くツケマイありと八面六臂(ろっぴ)の活躍で最終決戦まで進出。ファイナルは「(進入は)100メートルライン以内から勝負!」と宣言して、1億円頂上決戦を最も盛り上げたひとりとなった。

 その賞金王決定戦のトップ12入りに大きく前進したのが、昨年11月の当地ダイヤモンドカップだった。優勝戦は5号艇だったが、スタート展示から強気の前付けに出て本番は2コース奪取に成功。インから押し切り態勢を築いた秋山直之にFコールが降り、繰り上がりでVを飾った。

 「あとで『ああすれば良かった』という進入はしたくなかった」

 ポリシーを貫いて勝負をかけて見事に勝った。そこで作り出した好リズムは賞金王だけでなく、年が明けてからも良好。今年最初の唐津60周年を3コースからの捲り差しで勝って、2年連続の賞金王決定戦進出へ幸先良くすべり出した。

 「いいスタートが切れました。毎年夏場に調子を崩して、尻に火がついてから賞金王勝負をしている。今年は結果を出したい。喜ぶのはきょうだけにして、またはたらきたい」

 優勝に浮かれることなくどん欲に賞金上積みを狙っている。今回の舞台のまるがめは03年の新鋭王座、10年の58周年、前述のダイヤモンドカップとG13勝。「好きな水面」と話すようにドル箱のひとつだ。この大会は09年の第52回大会でVがある。今回5大会ぶりの制覇へ。まずは初日?Rの『骨付じゅうじゅうドリーム』で弾みをつけたい。

◇平山、アベック優出だ

 思わずドキッとしたファンも多かっただろう。1月の地元・丸亀女子リーグに平山の姿がなかった。昨年末の平和島最終日に転覆。1月末の児島女子リーグまで約1カ月競走を休んだ。

 「丸亀も走れる体調だったんですが、主人(福田雅一)と相談して『様子を見よう』と。ですので、もう大丈夫ですよ」

 その児島は初日こそ(3)(5)着だったが、2日目から1着を並べて快調。不安を一掃した。今大会は女子からの参加5選手中、ただ1人ドリームに選出された。昨年の『優秀女子選手』の意地を見せたい。「これまで地区戦は結果を出せていないので…。今年は地元なので結果を出したいです」夫・福田の大会3連覇に注目が集まるシリーズ。その快挙を阻むのは妻の方かもしれない!? 今年はバレンタイン決戦。まずはアベック優出を狙う。

◇新田、仕上がり好調

 昨年末の男女W優勝戦で捲って優勝。それも、インからゼロ台のトップスタートを決めて逃げ切りを狙う山川美由紀を仕留めての殊勲Vだった。今回も注目を浴びそうな18号機を味方に早い段階から伸びは好調。その仕上がりを生かした会心の一撃だった。

 今回、ともに参戦する夫の近藤稔也もそうだが、行き足から伸びを来させるのがうまい。とくに当地ではより一層、その傾向が強いように感じる。2人が仕上げたモーターは次回以降の選手にも好評で、穴党ならぜひ覚えておきたい話だ。

 今年は徳島支部から参戦する女子選手が3人。同じく女王経験者の岩崎、昨年のファイナリストの岸と精鋭ぞろいだ。四国は古くは99年の山川、記憶に新しいところでは岸と、全国でおそらくただ1つ女子の地区チャンプが生まれておかしくない地域だ。今年も注目しよう。

◇木村、篠原に要警戒

 主力はWドリームの12戦士だが、ここでは他のV候補について触れたい。

 最近、丸亀で最もエンジンを出してくるのは木村と篠原だ。以前の木村はピット離れや回った後の足を仕上げるのが巧みだったが、最近は伸びを来させるパターンが多い。そして、3カドも多用して暴れ回る。篠原もほぼ毎回、モーターの数字以上のパワーを引き出してくる。乗り心地が来たら優出以上も…。

 山崎は低調機だった31号機を正月戦で立て直して、一転銘柄機にした。1月戦で大西隆洋が地元初優勝したモーターといえば思い出すファンも多いのでは?

 一方で秋山、中岡といった中堅どころが、以前ほどパワーを引き出せていないのが気がかりだ。三嶌、下田、宮武もウデでしのげても足負けするシーンが増えた。巻き返しなるか?

 遠征の徳島勢は、近藤&新田夫妻がエンジンを出してくる。佐々木も戦歴以上に出してくることが多い。お隣でありながら、丸亀を走ることが少ない選手も多い。香川勢がやや有利か。

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