G1地区選手権

【江戸川G1 第63回関東地区選手権】毒島 史上20人目偉業へあと1

[ 2018年2月7日 05:30 ]

毒島誠
Photo By スポニチ

 G1「第63回関東地区選手権」はあす8日、東京のボートレース江戸川で開幕する。群馬支部からは24場制覇を狙う毒島誠(34)がエントリー。偉業達成に挑戦する。埼玉勢は、やはり昨年のグランプリに出場した桐生順平(31)と中田竜太(29)が注目株。水面相性からは中田が有力だ。地元・東京支部では今年最初のG1平和島周年記念を制した長田頼宗(32)に期待が寄せられる。

◆群馬支部

 06年9月のデビュー初Vから毒島が積み上げてきた優勝は43回。23場で勝利の美酒を味わってきた。ただ唯一、江戸川では優勝を飾れていない。「好き嫌いは関係ない。自分が江戸川水面を乗りこなせていない」。こう振り返る。しかし、今年は「節目」と位置づける年。いつまでも苦手なものを放置しておくつもりはない。

 「今年で選手生活、満15年を迎える。通算1000勝も近づいてきているし、しっかり気を引き締めて結果を求めたい」

 03年5月に桐生で初出走。同7月に多摩川で初勝利を飾った。そして前節のG1からつ周年記念までに挙げた白星は947個。メモリアルまで残り53勝と迫る。「これまで経験も積んできた。そろそろ苦手なことも克服したい。関東のレース場が残ったということは、やっぱり地元地区に何かの縁があるのかな。最初のチャンスで決められれば」。史上20人目の全24場制覇、それも史上最速達成へ前向きに語った。

 昨年のチャレンジCで2度目のSG制覇。2年ぶり4度目のグランプリ出場を果たし、ファイナルまで残った。「昨年はまあまあ良かった。でも満足はできないし、満足することはない。目標は毎年同じ。賞金トップ6に入って、グランプリで優出して勝つこと。まだ時期的に早過ぎて考えることではないけど」。見据える先は頂点のみ。まずは関東ダービーを制し、3月から始まるSGロードに弾みをつける。

 ≪地区選2Vの智也、荒れ水面得意な秋山も期待≫地区選2Vの実績を誇る山崎智也もV候補の一角を担う。1度目は桐生で開催された06年の第51回大会。2度目は今回の舞台でもある江戸川開催の13年、第58回大会で共にポールポジションから圧勝だった。16年のグラチャンから記念Vがなく、この大会で流れを変えたい。また荒れた水面を苦にしない秋山直之の活躍も必至だろう。

 昨年6月の当地周年記念で悲願のG1初制覇を果たした土屋智則からも目が離せない。インの平尾崇典がSで立ち遅れ、2コースからコンマのトップSを踏み込んだ土屋が一撃。優勝を導いた26号機は現在のエース格。調整力とここ一番の集中力を見せつけた格好となり、今回はV候補として参戦することになる。

 また椎名豊は今年1月の平和島周年で予選トップ通過の大暴れ。準優では仕掛けを失敗し優出を逃してしまったが、昨年はヤングダービーで優出まで駒を進めるなどじわじわと力をつけている。群馬支部の成長株が初の地区選で力を試す。

 金子拓矢は静水面で力を発揮するタイプ。水面との戦いになりそうだ。

◆埼玉支部

 埼玉支部にも中沢和志や飯島昌弘といった江戸川巧者がいるが、最近の勢いを加味すれば注目すべきは中田だろう。

 昨年4月のまるがめ周年記念でG1初V。9月の蒲郡プレミアムG1ヤングダービーで20代レーサーの頂点にも輝いた。SGでは目立った活躍を見せられなかったが、初のグランプリ参戦も達成。「自分のキャリアの中では1番いい年だったと思う」。ステップアップを果たしたことは間違いない。

 年が明けてからも、記念級のメンバーがそろった福岡バトルトーナメントを制覇。前節の児島一般戦で早くも今年2回目の優勝を飾った。2度目のグランプリ出場に向けてハイペースでV回数を重ねている。

 「グランプリは心技体すべてが強くないと勝ち抜いていけない。自分の力を特別な舞台で出し切れる人じゃないと勝てないと思う。僕は力を出し切れなかったが、それが今の実力。自分の弱さに気付かされた。でも、あんな思いをさせられたら、もう一回行かないと気が済まない」

 頂上決戦への切符は獲得賞金のみ。グレードレースでの好走が必要不可欠になるが、舞台となる江戸川とは相性がいい。59、60周年とG1で連続優出。「江戸川も他のレース場と一緒」とイメージも悪くない。今後の賞金レースを優位に運ぶためにも、ここで確実に順位を上げたいところだ。

 ≪桐生 当地4年4カ月ぶりも大丈夫≫埼玉初のグランプリレーサーとなった桐生順平が中心を担う。年が明けても地元正月開催、大村G2で優出と好調を維持している。桐生にとって鍵となるのが舞台である江戸川だ。13年10月以来、実に4年4カ月ぶりの出走となる。果たしてどんな走りを見せるのか。常識的には厳しい戦いが予想されるが、ボート界のトップに上り詰めた今ならブランクをあっさり克服しても不思議ではない。

 当地G1ホルダーである飯島昌弘、平石和男の両者も健在をアピールしたい。特に飯島は通算連対率50%超と相性は抜群。昨年も2節出走して共に優勝戦まで進出した。直前の芦屋でのフライングは痛いが、さばきで勝負する。

 2日目ドリーム戦に出場する中沢和志も当然有力。第49、50回大会(04、05年)を連覇した実績がある。最近は大舞台で目立った活躍はないが攻撃力は一級品だ。また次世代を担う20代からは黒井達矢をピックアップ。当地に目立った実績はないが、地元正月開催で準V、下関で優勝とリズムは上々だ。

◆東京支部

 長田は地元でのタイトル獲得に喜びを爆発させたが、すぐに普段のクールな表情に戻って語った。「今年は(グランプリに出場できる)18人を意識している。まだSGの権利が取れていないし、浮つくことなく気を引き締めて年末まで頑張りたい」。G1優勝をグランプリへの通過点と捉え、最短ルートであるSG出場を目標に定めた。今大会は3月浜名湖クラシック出場へのラストチャンス。長田にとっては優勝が条件の厳しい勝負駆けとなる。

 昨年は不本意な一年だった。一般戦の優勝は4回あったが、SG、G1の舞台では目立った活躍はなし。辛うじてシリーズには出場したが、グランプリにはほど遠かった。だが、頂上決戦に出場した埼玉の桐生順平、群馬の毒島誠の活躍が刺激となった。「17年は一年間成績が悪かったが、桐生選手、毒島選手を見て東京は自分がやるっていう気分になった」。関東他地区2人を発奮材料にして今年最初のG1で最高の結果を残した。

 多摩川、平和島に比べて活躍の印象が少ない江戸川だが、昨年の周年記念では予選を突破。通算勝率は6点を超えており相性は決して悪くない。さらに今の充実ぶりなら東京支部に14年石渡鉄兵以来、4年ぶりの地区選タイトルをもたらす可能性は十分にある。長田のチャレンジからひと時も目が離せない。

 ≪“江戸川テッペイ”2度目地区選V狙う≫純地元の東京支部を引っ張るのは“江戸川テッペイ”だ!!2度の当地周年記念優勝を誇る石渡鉄兵は「(群馬、埼玉支部の選手より)俺たちの方が水面を知っているという思いが強いので負けたくない」と言い切った。18年最初のSGボートレースクラシック(3月、浜名湖)の選出順位は予備4位と微妙な位置。「(権利を)待つんじゃなく、獲りにいかないと」と気合十分。第59回(14年、平和島)以来2回目の地区選Vを狙う。

 “東都のエース”浜野谷憲吾は江戸川G13Vと石渡以上の水面実績。昨年はF2で長欠を余儀なくされ、不本意なシーズンだった。当地開催の第57回(11年)以来の大会制覇で健在をアピールしたい。かつてのグランプリ戦士、斉藤仁は第61回(16年)、第62回(17年)と2年連続優出。1月の平和島周年記念でも優出し、安定感は関東屈指といえる。満を持して関東ダービーデビューを迎えるのは若手のホープ、永井彪也。当地は昨年8月のG3企業杯を含めて2連覇中で、いきなり持ち味を発揮しても不思議はない。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る