G1地区選手権

【びわこG1 近畿地区選手権】賞金女王・遠藤 近畿ダービーで腕試し

[ 2018年2月13日 05:30 ]

滋賀支部の遠藤エミ
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 全国最強地No.1を決めようか。G1第61回近畿地区選手権は14日、びわこボートで開幕。滋賀、大阪、兵庫、福井の4支部から今回は遠藤エミ、木下翔太、藤岡俊介、下出卓矢の4選手をピックアップする。

 ◎滋賀・遠藤エミ

 昨年は福岡オールスターから始まり、鳴門グラチャン、まるがめオーシャン、若松メモリアル、平和島ダービー、住之江グランプリシリーズとボートレース界最高峰であるSGレースを5度も経験。ただ予選突破はオーシャンのみ。内容的にも結果的にも、SG常連選手との実力差がまだまだ大きいことに痛感させられた一年だった。

 「G1もSGも多く走らせてもらいましたけど、最後に年末のグランプリ(シリーズ)を走ってわかったことは旋回技術とかペラ調整とか、もっともっと磨いていかないとダメだってことですね」

 それでもグランプリ後に大村で開催されたクイーンズクライマックスでは抽選運に恵まれたこともあったが、4走オール1着と大会初となる完全Vを達成。女子の中ではもはや無敵状態といっても過言ではない。

 「女子戦では評価されてると思うんですけど、今年は上の舞台で男子相手でもしっかり結果が出せるように頑張りたい」

 自分の力がまだまだ未熟なのはわかっている。その意味でも全国でも特にハイレベルな今回の近畿ダービーは格好の腕試しになりそう。

 「地元のびわこでやるんでチャンスだと思って活躍したいですね。それに今回はドリーム戦にも選ばれてるんで(ファンにも)アピールしたいと思ってます」

 女子だと侮るなかれ、気合十二分の遠藤なら強豪たちをバッサ、バッサとなぎ倒すシーンもあるか。

 ◎大阪・木下翔太

 デビュー当初から前評判はかなり高かった。それを思えば、強くなる過程はややスロー。「ちょっと(この世界を)甘くみてましたね」ということで意外に伸び悩んだ。しかしここ2〜3年でたくましくなった。

 「去年は3年前、2年前の経験を生かしてレベルアップすることができた年だと思います。優出とか成績で何かが変わったというわけではないんですが、積み重ねた感が大きいですね」

 確かに昨年は2月三国地区戦で、6月住之江周年、9月蒲郡ヤングダービー、12月鳴門周年とG1でも優出の実績を残している。特に地区戦と住之江周年は優勝にあと一歩といったレース内容だった。

 「そうですね。地区戦も(住之江)太閤賞もいいエンジンだったし、チャンスはあったと思います。だから今年は獲れるチャンスはきっちりモノにしたいし、G1を勝ちたいという気持ちも一層高まりました」

 言葉の節々から伝わってくる自信。今回の地区戦でG1初Vを飾ってもなんら不思議はないだろう。びわこ水面は昨年7月の周年以来。その時は予選3勝をあげながら準優で3着惜敗…。それでも最終日は意地の連勝で締めくくっている。

 「びわこは相性がいいと思う。最近はあまり走らせてもらってないけど、デビューした頃によく走らせてもらってるし。去年のG1も悪くなかったしね」

 勝てば浜名湖で開催されるSGクラシックの権利も手に入る。さあ翔太、一気に全国区へ羽ばたけ!

◎兵庫・藤岡俊介

 今が最も充実のときにある藤岡が、地区戦に向けて静かなる闘志を燃やしている。期別成績で勝率7点台をマークしたことはまだない。それが今期はこれまで勝率7・06を誇っている。

 「G1であっせんが入っているのは今は地区戦しかないので何とか頑張りたいです。まずは準優出が目標。びわこは好きですよ、成績に関係なく。久しぶりの感じはないです。尼崎の次に走っていますし、地元のつもりです」

 これまで地区戦は2年連続準優出中。昨年に並んだ上で、その上へ――という思惑だろう。びわこは1年3カ月ぶりの出走となるが、当地では2連続優出中。好相性の場が、藤岡のさらなる躍進を後押しする。

 年末年始から好調をキープしている。優勝した昨年11月下旬の尼崎一般競走から5節連続優出。12月の芦屋周年記念では自身初のG1初優出も果たした。

 「記念が続く機会はそんなにない。どこかで優出したいな、と思っていたので良かったです」

 昨年8月の多摩川周年記念以降は出場10節中7節がG1だった。その締めくくりとなる芦屋は自信を深めた一節となった。

 今月1日まで行われた前節の尼崎一般競走では、準優勝戦には乗ったものの連続優出は途切れた。悔しさは当然ある。その思いを、自身今年初G1で力に変える。その先にはまだ経験のないSG出場も見据えている。飛躍の2018年への足がかりとするべく、大暴れを見せるはずだ。

 ◎福井・下出卓矢

 枠なり全盛時代。相次ぐ個性派ベテラン選手の引退…。進入の駆け引きが少なくなったボートレース界。コレを良しとするファン、異論のあるファンもいるだろう。そんな時代の中、下出は数少ない個性派レーサーといえよう。

 チルトを変幻自在に操ってストレート勝負にかけるレースは現在、三井所尊春と、この下出くらいか。特にその伸びが仕上がった時はコースに関係なく過激な捲り攻撃を連発。舟券を買っている側からすれば最もワクワクする瞬間だ。

 「とにかく捲りが好きですね。カドも好き。三井所(尊春)さんまではいかないけど、常に伸びを求めてやってますよ。最近は仕上がる回数も増えてきてるんで調子がいいと思います」

 もちろん内側に抵抗されれば飛ばされることだってある。伸び重視の分、乗り心地が来なければ道中競り負けることだってある。

 「リスクが高いぶん成績としてはムラもあるんですが、でもやっぱりパンチ力をつけたいですからね」

 昨年12月、住之江に来た時も実績のない凡機を自慢の調整力でトップ級の伸びに仕上げ予選、準優合わせて5勝の荒稼ぎ。優勝戦は2号艇。「前ヅケ来る人がいれば喜んで入れます」といっていたが誰も来ず2コース発進。イン寺本重宣の先マイを差すとバック一気に伸び切って優勝を飾っている。

 難水面のびわこなら小細工はいっさい無用。“炎の直球勝負”で強豪に真っ向から挑んでもらおう。

 ◎総展望

 地区戦の中でも最もハイレベルといわれる近畿ダービー。今回は支部別に紹介していこう。まずは地元滋賀支部。V候補の守田が初日1stドリーム1号艇で登場。昨年びわこではコレといった結果を出せず。今回にかける意気込みは相当か。昨年クイーンズCで完全Vを成し遂げた遠藤が2日目「ドリーム2nd」に選出。男子顔負けの豪快モンキーは地元水面でさらに力を増す。吉川昭は昨年124勝で最多勝に輝いている。かって知ったる水面で大暴れは必至だ。

 続いて一番層の厚い大阪支部は当地G15勝の実績を残す王者・松井が筆頭。さらに4年連続GPファイナリストの石野、最強大阪軍団を引っ張る田中もV有力候補。湯川&丸岡の“銀河系”コンビも虎視たんたん。急激に力をつけてきた木下にも注目が集まる。

 兵庫支部は昨年のGP戦士・魚谷と近況リズム上向きの吉川元。魚谷は大村誕生祭のFが多少気がかりだが、ともにドリームからの船出でモチベーションは高い。あと芝田が昨年G2で準優勝、前々回の一般戦では優勝と相性◎。吉田も当地は3Vの実績を誇るなど自信を持っている。このあたりがポイントゲッターになってくるか。

 最後に福井支部。昨年の覇者・今垣光太郎が不在なのは少々寂しいが、それでも歴代GP覇者の中島、強気の攻めがウリの武田といったドリーム組が主力になる。武田と同期の石田も当地はG1優勝、SG優出の実績もある水面とあって侮れない。

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