G1地区選手権

【びわこG1近畿地区選手権】クラシック出場へラストチャンス

[ 2015年2月5日 05:30 ]

昨年大きく飛躍を遂げた和田兼輔
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 ボートレースびわこ「第58回G1近畿地区選手権」はあす6日から開幕。11日までの6日間シリーズのポイントは2つ。1つは今年の飛躍に向けて“開幕ダッシュ”をつけられるか。そして、来月の尼崎SGボートレースクラシック出場への“ラストチャンス”となることだ。今回の特集では、びわこの名物“縁起レース”「スポニチ杯八景賞」で昨年優勝した兵庫支部の和田兼輔と一昨年の覇者・滋賀支部の君島秀三をピックアップ。湖面巧者の両者がおのおのの目標達成に向けて一心不乱に挑む。

◆悲願の地元クラッシック出場めざす 若手有望株の和田
 2014年は大きく飛躍を遂げた。すべては3月の地元・尼崎で開催されるボートレースクラシック出場のため。自力で初のSG出場へチャレンジした結果として年間優勝4回というV量産に成功した。

 「優勝は意識します。まず優勝するためにはどうすればいいのかと。得点率上位で予選を突破していけば準優や優勝戦で好枠を得られますしね」

 惜しくも優勝回数での出場はならなかったが、今回のびわこでラストチャンスに挑む。昨年10月に4回目の優勝を決めた地がびわこだ。第39回スポニチ杯争奪八景賞。出世レースと言われる大会での優勝劇だっただけに、今後の活躍が期待される。

 「あの時は優勝戦直前まで調整したのが良かったですね。そんなにいいエンジンでもなかったのに、それなりに仕上げられたので意味がありました」 

 びわこでの初V劇に象徴されるように、好成績が残せることになった要因の一つに“
最後まであきらめずに調整する”を実践したからだという。

 「調整法の引き出しを多くしたいので失敗を恐れずに上積みを目指すようにしました。冬場にペラが合わないことが多いので1年トータルでうまく調整していくことが課題です」

 まだすべてがうまくいってはいないだけに、まだまだ伸びしろはある。

 「びわこはあまり走っていないですが、尼崎と似ていて回転の上がるレース場なのが自分に合っているかもしれませんね。出場するからには、もちろん優勝したい。G1で結果も出したいですしね」

 相性のいい水面を味方に地元SG出場へVあるのみだ。近畿地区の若手でNo・1の成長度を誇る男から目が離せない。

◆地の利は十分 地元・滋賀支部の君島
 2013年11月スポニチ杯争奪八景賞での優勝劇が光る。この年はオール近畿戦という企画戦で、今回の近畿地区選手権をほうふつとさせる好メンバーでのシリーズとなった。優勝戦では倉谷和信、室田泰史ら名うての実力者相手に、うまく展開を突いて優勝を決めたのだから十分に価値のあるものだといえる。

 その勢いで昨年3月のG1びわこ大賞に参戦。久しぶりの地元記念だったが、好パワーに仕上げて目標の予選突破に成功。大いに大会を盛り上げた。出世レースと呼ばれる八景賞を制しているだけのことはある。

 「あれはいい経験になりましたが、あの後に1カ月のF休みに入ったのが…。あれでいい流れを断ち切ってしまいましたね」 

 地元記念で活躍した後は不振の1年と振り返るように14年はスッキリとしなかったという。

 「モーターに関係なく、レースで勝負弱かった。昨年、2本もFを切った影響でしょうね。思い切ってスタートが行けなかったことに尽きます」

 新年を迎え、過去からの脱却を図るべく正月の地元びわこ、徳山と連続優出を決めて流れは向く。スタートもシャープなものを決めている。

 「今年は記念で結果を出せるようにしないといけないですね。常に準優に乗りたいです」

 今年の目標に向けて格好の腕試しとなるのが今回の地元G1戦。12年、13年と2年連続でびわこで連続優勝を決めている得意の水面なら昨年3月の周年記念に続く予選突破も実現できそうだ。

 「地元は気分的に違いますね。リラックスしてレースに臨めるのがいい」 

 今後も25日から三国周年、来月8日から平和島ダイヤモンドカップとG1戦が続く。地の利十分の地元記念で大飛躍への弾みをつける。

◆【大阪支部】得意水面で連覇めざす松井
 16人が参戦する大阪支部。V筆頭は昨年のグランプリ戦士・松井繁だ。前回大会(住之江)の覇者であり、びわこの記念を総ナメにする大得意の水面を味方に連覇を目指す。松井と同じく昨年の平和島グランプリに出場した太田和美、丸岡正典、石野貴之らも腕をぶす。特に石野は昨年12月G2秩父宮妃記念杯を制した。また、10年びわこ当競走の覇者でもあり、湖国での実績はなかなかのものだ。

 07年のびわこ近畿地区選手権を制しているベテラン・倉谷和信も湖面成績がいい。昨年当地10月戦で優勝している湯川浩司は快速戦が脅威。

 近況リズムなら1月からつ周年記念で優出している西村拓也に勢いあり。びわこでも常に安定した走りを見せている。

◆【兵庫支部】最多19人が参戦
 今回最多の19人を擁する兵庫支部はまさに多士済々。A1ランカーが、それだけ多くいるという証拠だ。今回は地元尼崎で開催されるクラシック出場へのラストチャンス。他支部の面々とは気合乗りも違う。

 中核となるのはSGタイトルホルダーの魚谷智之、吉川元浩、馬袋義則、勝野竜司。昨年12月当地G2秩父宮妃記念杯で優出している魚谷が筆頭か。吉川はF2の身。スタートは慎重になってきそうだ。

 1月宮島周年で優出した吉田俊彦、小坂尚哉はいい流れで入れる。昨年びわこで優勝している芝田浩治、稲田浩二、和田兼輔にもアドバンテージはあるか。

 昨年V6の安田政彦も記念でリズムを上げたい。鎌田義は当地G2秩父宮妃記念杯を制した実績あり。

◆【滋賀支部】大将格・守田の抜群ターンに注目
 地元の滋賀支部は10人が参戦。日本一の難水面を熟知する面々が意地の走りを見せてくれそうだ。大将格は守田俊介。昨年3月に悲願の地元周年記念V。昨年12月のG2秩父宮妃記念杯でもきっちりと優出。天才的な切れ味抜群のターンを武器に攻める。

 地元では大崩れしない吉川昭男、川北浩貴、深井利寿らも流れひとつで浮上。今年に入って優出劇が続く君島秀三も地元は大の得意だ。

 スピード戦なら誰にも負けない馬場貴也の好勝負も十分にありえる。今年のびわこ正月戦ではダッシュ戦で見事優勝。勢いならこの男だ。初のA1昇級を迎える是沢孝宏が今回の地元注目のレーサー。初めての地元G1戦で思い切りのいい攻めを見せるか。

◆【福井支部】好相性のびわこでVねらう今垣
 出場者が5人と4地区で最も少ないのは福井支部。2010年、北陸に初めて黄金のヘルメット(グランプリV)を持ち帰った中島孝平の姿はないが、エース・今垣光太郎を筆頭に少数精鋭の陣容となる。

 中核は今垣。びわこは得意水面だ。周年記念を2回制し、10年にはG2秩父宮妃記念杯でも優勝。前走のG1宮島周年で堂々と優勝を決めて最高の形で乗り込めそうだ。

 02年当地G1ダイヤモンドカップ優勝の石田政吾の巧腕にも期待がかかる。昨年V5で3月尼崎クラシックに出場する萩原秀人は常にびわこで安定した走り。びわこでデビュー初優勝を決めている松村康太、若いながらも非凡なターンセンスを持つ松田祐季らも差し優位の湖面で真価発揮だ。

◆エンジン分析
 びわこのエンジンは数字だけでパワーを推しはかれない。勝率や2連対率が低くてもバリバリのパワーがあるという例も少なくない。それは中間整備が施されるからだ。非力すぎるエンジンには整備士のメスが入る。

 現行モーターは昨年の6月8日から使用。近畿地区選手権時には8カ月も使っていることになる。中間整備が実施されるだけに、近況に活躍しているエンジンがいいということになる。

 オススメのエンジンを紹介しておく。2節前の1月G3オールレディースで優勝機となった56号機がいま最も輝いている。Vの寺田千恵をして「人生でこんな経験は初めて」と言わしめたように、前検にペラを調整しただけで後はノーハンマー。優勝戦では平高奈菜に迫られたが、伸び返したように3拍子そろったスゴ足だった。

 平高が駆った21号機も力感十分。前に押す感じがアリアリと分かるくらい。優勝戦3着だった向井美鈴の相棒・65号機も快足。特にバックでの伸びが良くて湖面向きの仕上がりだった。昨年12月のG2秩父宮妃記念杯で赤岩善生が仕上げた43号機も抜群のレース足を持つ逸品だ。

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