G1地区選手権

【児島G1中国地区選手権】1号艇の吉田 強烈スタートで頂点へ

[ 2015年2月7日 05:30 ]

地元G1開催に燃える吉田拡郎
Photo By スポニチ

 全国で地区ダービーが真っ盛り。G1第58回中国地区選手権は児島ボートであす8日から開催される。岡山、広島、山口3支部の強豪が激突。“瀬戸内決戦”は6日間に渡り熱いバトルが展開される。早速、各地区の注目選手を紹介していこう。なお、今節からレースの進行が夏時間に変更。1Rのスタート展示は10時15分、12Rの発売締め切りは16時30分となる。

◆抜群のスタート誇る吉田 地元Vなるか
 ちょっと古い話から入ろう。スポニチでは以前、ボートのガイドブックを刊行していた。「闘う個性派レーサーたち」という読み物が出版されたのが9年前。吉田が取り上げられていた。スタートの早さをクローズアップ。<平均スタートコンマ10は行けると思っています。コンマ10を狙って行ってますから。10行けたら笹川賞(現オールスター)に選んでくれんかなあ>というくだりがある。当時はSG出場を夢見る新鋭だった。ちなみに前期の平均スタートはコンマ12。今もやはり早い。

 「ボクが一番になれるとしたら、一番早いのはスタートだと思う。ペラが変わってもエンジンが変わっても、スタートはこだわっていきたい部分。もっと磨きをかけていきたいですね」

 そんなスタートの早さを武器に、昨年は快進撃を見せた。4月大村62周年でG1初V。その後、7月まるがめオーシャンCでSG初Vを遂げた。

 「これまでG1を獲ってないという意識はありました。優勝できたことで肩の荷は少し下りたかなと思う。この優勝でオーシャンカップの出場権が手にできたし、その意味は大きかったですね」

 いい流れで賞金を積み重ね、初のグランプリ出場に早々と“当確ランプ”をともした。本番はセカンドステージからの出番だったが、トライアルは4、3、5着でファイナルには進めなかった。

 今年は2年連続の大舞台出場へ向けてのリスタートとなる。正月地元戦、前節の桐生と連続優出。桐生は準完全Vで早々と今年初Vを決めている。この時に今節と同じヤマト331型(出力低減エンジン)を経験しており、多少はプラスに働くか。地元は正月戦を含めて目下4場所連続優出中。昨年9月62周年は優勝戦【3】着だった。初日メーンは1号艇で登場。ここを逃げて“主役”に躍り出るぞ。

◆【岡山支部】最多25人出場の強力布陣
 3支部の中では最多の25人が出場する。ベテランから若手まで楽しみな選手が揃った。ドリーム戦には吉田、山本の他に川崎智幸、平尾崇典がスタンバイ。川崎は昨年9月当地62周年の覇者だ。地元勢として24年ぶりに周年タイトルを手にした。この時は7走して5走でコンマ0台のスタート。正月戦でも初戦からビシバシ仕掛けを決めていた。地元なら強スタートにさらに磨きがかかる印象だ。平尾は昨年10月ダービー、ケガ明け初戦でSG優出とあらためて地力の高さを証明した。地元の正月シリーズを3日目から7連勝で制している。当然、V候補の一人だ。

 DR組以外の注目は山口達也だろう。11年の桐生55周年でG1初出場にして初優出。ターンのキレ味は絶品で、いつG1タイトルに手をかけてもおかしくない存在だ。近況は前節の住之江58周年で優出とリズムは悪くない。他の若手では渡辺和将に熱視線。昨年の地元?周年でG1初の予選突破。着実に力を付けている。

◆【広島支部】出場者は少ないが実力者揃う
 広島支部からは12人と“少数精鋭”の布陣だ。ドリームには4人が登場する。市川哲也は昨年11月大渦大賞in宮島でG1V。今年も浜名湖一般戦で早々と優勝を飾り、前節の宮島60周年でも優出した。SG4VにG1・19Vの実績がさん然と輝く。辻栄蔵は昨年若松メモリアルで優出。まるがめオーシャンCは初戦でFを切りながらも、その後7戦で4度の舟券絡み。さばき巧者ぶりを存分に見せつけた。どのコースでも3連単には欠かせない存在だ。

 昨年の一般戦でVラッシュに沸いたのが前本泰和だ。昨年は19優出11Vで110勝は全選手中5番目の勝ち星。序盤で勢いが付けば楽しみは膨らむ。豪快な取り口が持ち味の山口剛だが、前節のFが気がかり。どこまで踏み込めるかがカギとなる。

 シード組以外の注目は好調モードの上平真二。今期7節を消化して優出を外したのが1回だけ。2期前に記録した自己最高勝率7・78を上回るハイペースだ。この勢いを武器に快進撃といきたい。

◆ベテラン健在 五十路を迎えてもなお一線級で奮闘する今村
 昨年はSG戦線を盛り上げた一人といっていい。今村は福岡オールスター、浜名湖グラチャンと2連続で優勝戦1号艇。ともに敗れてはしまったが、ベテラン健在をアピールした。

 「去年は50歳を過ぎて一番いいでしょうね。40歳代後半から含めて。結果がすべてじゃないけど、SGのオールスターとグラチャンで予選を得点トップで通過して1号艇。優勝こそしていないけど内容が良かったかなと思う」

 SG2優出に10月下関60周年Vもあり、きっちりとグランプリにコマを進めた。トライアル1stは2、4着。石野貴之と同着ながら、上がりタイムの差で7位。第一関門で無念の敗退となった。

 プロ野球の世界では中日ドラゴンズの山本昌が49歳で現役の道を歩んでいる。スキージャンプの葛西紀明は40歳を越えても一線級で奮闘。ボートレース界なら、その存在にあたるのは今村だろう。

 「悔しさがなかったら走ってない。負けて上がってきて悔しいから走っているし、悔しくなかったら負けるでしょ。そこの部分の悔しさがなくなったら辞める。お客さんはボクたちにお金を賭ける。負けたら悔しいじゃないですか。当の走っているボクたちが悔しくなかったら失礼でしょ」

 そんな思いがあるからこそ、前へ前へと気持ちを向かわせる。今年は2節目の大村で7戦全勝の完全優勝を決めた。コンマ09の好スタートを決めて押し切った。

 「3日目までと風が変わって、スタートには不安があった。勝率がないエンジンだったけど、足はトップクラスだったと思います」

 この児島以降は記念のあっせんが続く。2年連続で年末のグランプリへと向かうべく、ここから第一歩を記す。

◆【山口支部】活きのいい若手勢に注目
 山口支部からは15人が出場する。ドリームには今村豊、寺田祥、白井英治、谷村一哉が名を連ねる。スポットライトを浴びるのは2日目DR戦1枠で登場する白井だ。昨年の若松メモリアルVは記憶に新しいところ。今回は地区戦連覇も懸かる。寺田は初日、谷村は2日目DR戦が外枠発進。アウトを苦にしないタイプなので、穴党注目の存在だろう。
山口支部は登番4000番台以降が9人と若手中心の顔ぶれ。吉村正明は08年の当地56周年でG1初Vと思い入れのある水面だ。原田篤志は今期6優出と好調モード。大峯豊も前節の住之江?周年で強力足を完成させてベスト6入り。海野康志郎に柳生泰二も前節でVと、イキのいい若手選手が揃っている。

◆初日ドリーム展望
 山口は6号艇の時に前付けのシーンがあるが、前節でFを切ったばかり。進入は枠なりか。吉田は直近1年のイン戦67戦して52勝で1着率77・6%。ここ10戦で8勝している。2度の負けはともに差されての2着だった。本命党には心強いインデータだろう。もし、差されるとしたら2コース良績の今村か。2コースは直近1年で45戦19勝。1着率42・2%と結構高い。オッズ次第では【2】【1】流しが狙い目かもしれない。

◆1着を予想しよう プレゼントが当たるキャンペーン実施
 BOATRACE振興会は、全国6地区選手権競走の各初日ドリーム戦の1着選手を当てる「ドリーム戦勝利者当てプレゼントクイズ」を実施している。キャンペーンサイトのBSフジ「BOATRACEライブ~勝利へのターン~」番組オフィシャルHP(別掲)から各地区選手権の開催初日ドリーム戦1着者を予想するもの。

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