G1地区選手権

【大村G1九州地区選手権】51戦士が集結 激戦あす開幕

[ 2016年2月8日 05:30 ]

13年若松で初の地元G1制覇、奮起が待たれる今井貴史
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 ボートレース大村の「第62回G1九州地区選手権」があす9日、九州を代表する51戦士によって激戦の幕を開ける。初日メーンの12Rドリーム戦は深川真二、瓜生正義、赤坂俊輔、岡崎恭裕、篠崎元志、仁志の6人で争われる。枠番は前日に決定。今回は瓜生VS篠崎元の様相を呈している。連覇に挑戦は川上剛。昨年ブレークしたのは池永太。シリーズ通して沸かせるのは女子5人の存在だ。迎え撃つ地元勢は総勢10人。その中でも今、一番エンジンを出すのが榎幸司だ。今回はその榎に一肌脱いでもらおう。

 ◆今井貴史 あの「興奮」を再び!!
 ~13年若松で初の地元G1制覇 「もう一回、優勝したら本物」~
 元九州チャンプが、大村に「刺激」を求めてくる。3年前、13年の地区選若松大会優勝戦。28歳の若武者はスタンドに衝撃を与えた。5コースからコンマ05の踏み込みで捲り差し一閃(せん)。スタンドがどよめく。今井貴士が地元で初のG1制覇をかっさらった瞬間だった。2連単では5000円超え、3連単は約3万5000円の好配当決着。ここから「幸せの黄色いカポック」は今井の代名詞に。奇数艇、特に5コース戦で波乱を呼ぶ「一撃仕事人」として注目されるようになった。さらに同年の平和島クラシックでSG初優出で準優勝とブレーク。ただ、31歳となり、近年は「まずまず」「ぼちぼち」といった走りが続いているという。そして迎える今年の大村での地区選、そろそろ奮起待ちのファンも多いはずだ。

 昨年を振り返っても「特色なく、A2になったり、A1になったり。これといったイベントもなく。安定もしていたわけでもなく、ですかね」と苦笑いする。理由は、リズムとエンジンだという。「どの場でもいいエンジンを引けばやれるし悪い機でも(着が)いいときもある。ただ出ないときが、とことん厳しいんですよね」と、もどかしい。

 ただ「地区選は何となく優出できている」と自負もある。昨年のからつ大会では3枠で優出し4着。さらに今回は九州を制した場と同じ海水プールでもある。「どちらかというと海水が好き。なので地区選までにリズムを上げたい。でも、最近が出てなさ過ぎて不安も残る。何とかリズムを上げられたら」と前を向く。

 周囲では「今井」「貴士」が騒がしい。同姓女子の今井美亜が新春の平和島バトルトーナメントで優勝。海外サッカーのスペインリーグではエイバルFW乾貴士がゴールを量産。「やはり意識はします。乗っからないといけないですね」とカンフル剤はあるようだ。

 ただ「伸びが下がらない程度で乗り味が来れば」平凡機でもやるのが今井のハンドルワークだ。「もう一回、優勝したら本物なんでしょうね。また喜びたいですねー」。あの興奮を、もう一度。今井だけではない、みんなが望んでいる。

 ◆平田忠則 腕ぶす「発祥の地」巧者
 ~大村での安定感は抜群!! 初の「九州チャンプ」狙う~
 「ばあちゃんのふるさと」で、めっぽう強いのが平田忠則だ。長崎県には母方の祖母の郷里があるだけに「大村では頑張りたい」との思いが、水上で好結果として表れている。15年だけで3優勝。3、4、8月と3つのタイトル戦で、どれも優勝戦1号艇からのイン逃げV。さらに過去5年間をさかのぼっても11走して5優出3優勝、3着2本。舟券から外れないこの安定感は、まさに「発祥地」巧者。福岡支部から送り込まれてくる「刺客」として、ヒラチューはぴったりだ。

 「正直、海がしけなかったら大好き(笑い)。水面が荒れなかったら、幅広く戦えますね。どこからでも行ける。コンスタントに着を取って、予選を首位通過すれば確実に行けるイメージ。ミスターンをせずに仕留められる、相性のいいレース場です。去年もオールスターにも選んでもらって、エンジンは良くなかったけど準優にも行けた。家族のルーツもある長崎ということで、何かの力も働いてくれていると思ってる。その思いが結果に出ている」と胸を張る。この自信は、10年の当地SGグラチャンでの準優勝としても表れている。

 今年に入っても、幸先がいい。新年一発目の福岡タイトル戦で2コースから差して優勝。「リズムもいいですね」とイケイケは止まらない。16年G1初戦のからつ周年でも、きっちり予選を突破。準優で敗退し「エンジンを出し切れなかった」と反省したが、すぐに笑顔でポジティブ思考になるのが平田の強み。「調整、エンジンの引き出し方もそれなりに良くなってはきている。最近は2コース、6コースが僕の生命線。大村の6コースは遠いけど、地区選開催中に攻略法を見つけながら走りますよ」とさらりと言ってのけた。

 G1は4勝しているが「九州チャンプ」の称号は、まだない。得意水面でヒラチューが、そろそろ…、の声も期待も高まっている。

 【先行予想】
 ~瓜生、大村との相性抜群 篠崎元、まだまだ発展途上~
 昨年の瓜生は3本のFにリズムをつかめなかった。そのなかにあってもG1・2V。グランプリ出場も10回で途切れたが、シリーズ準V。今回はF休み明け3場所目となるが、初戦の若松では格の違いを見せつけ優勝戦は白のカポック。最後はSで後手を踏み大敗を喫したが、まだ体ならしの段階。住之江を走り、S勘を修正し相性抜群の大村に入る。大村は昨年12月の誕生祭を初戴冠したばかり。今年の特別ロードは発祥の地から始まる。2年ぶりにタイトル奪還だ。

 迫力ある高速旋回は篠崎元だ。毎年目標にしてるのは暮れのグランプリ。そして頂点だ。昨年はメモリアルを峰と激戦の末に制しSG2V。グランプリに出場し優勝戦に乗った。結果は4着だが、前回より着は一つ上げた。今月の28日には三十路に入るが、まだまだ発展途上。進化しつづけているのだ。その篠崎元がまだ九州一の座には就いていない。大村は2度の優勝もあるし相性は悪くない。今回は獲りに行く。

 前回、からつで九州一の座をもぎ取ったのが川上。念願のG1初Vだった。そのときはほぼ完ぺきなレース内容。狙うは当然連覇。強力機を引き当てれば突っ走る。

 池永にG1獲りを先に越されたのが同期の西山だが、昨年のグランプリシリーズではSG12回目のトライで初優出。SGでは先を越してやった。仲のいいコンビが刺激しあい成長している。昨年の周年で初優出、準Vだったのが山田康二だ。大村はいいイメージしか残っていない。今回も期待できそうだ。女子は日高逸子を筆頭に藤崎小百合、魚谷香織、川野芽唯、小野生奈の5人。昨年の暮れ、最後に人気を独占したのが新女王の川野。心知れた男性陣たちだがレースになればこの5人には戦々恐々だろう。女子がレースを一層面白くする。

 迎え撃つ地元勢。3強は石橋道友、赤坂俊輔、下條雄太郎。勢いあるのは榎幸司だ。地元プールで勝手にはさせない。

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