G1地区選手権

【下関G1 中国地区選手権】白井“下関中国ダービー連覇”へ燃える

[ 2019年2月16日 05:30 ]

地元での地区選に気合が入る白井英治
Photo By スポニチ

 最高のトライアングルが下関の夜に描かれる。17日から6日間の日程で「第62回G1中国地区選手権」がボートレース下関を舞台に開催される。中国地区選は初のナイター開催で、下関では5年ぶり。地元の山口支部が18人、広島、岡山支部はそれぞれ16人が集結。戦力均衡の3地区のトップレーサーが、平成最後の中国チャンプの座を懸けて火花を散らす。

◆白井英治(山口)

 昨年は中国地区からただ一人、グランプリに出場した。当然のようにファイナルまで進出。惜しくもVには手が届かなかったが(3着)名実ともに中国地区の顔である。

 14年以来、下関で開催される中国ダービー。昨年は徳山で行われたSGグランドチャンピオンを制して、地元での強さを存分にアピールした。山口支部のスーパーエースは、今大会のドリーム1号艇に指名されて気合倍増。広島と岡山の両支部の選手に高いカベとなって立ちはだかる。

 19年の目標はいたってシンプルだ。「とにかく自分の力を発揮したい。頑張ります」と力を込めた。「今年はどこかで一発ということではなく、コンスタントにいい成績を残せるように走りたい」。18年は歓喜の地元SG制覇を成し遂げたが、G1優勝はまさかのゼロに終わった。今年は地元SG開催はなく、大目標のグランプリVに向けて、目の前の一戦一戦に全力投球する。

 誰もが勝ちたい、いつも以上に気合が入る地元G1。ただし“下関での中国ダービー連覇”へ挑戦できるのは14年大会を制したこの男だけ。「白井英治の力」が発揮できれば、それもたやすいことのように思えてくるから不思議だ。昨年4月に始まった下関ナイターは6節走って4優出3V。ナイター開始後、最初の下関周年記念を勝った地元のヒーローが、初のナイターで行われる中国地区選手権でも頂点にもっとも近い存在といえるだろう。

◆茅原悠紀(岡山)

 14年の平和島グランプリはまだファンの記憶にくっきりと残っているか。初出場で大外から大仕事をやってのけた。岡山支部のエースに君臨した瞬間だった。ただSG優勝はその1度だけ。艇界屈指の旋回力を存分に発揮しているが、決して結果が追いついてきているとは言いがたい。

 19年のテーマは「冷静さ」だ。茅原自身も現状を「自分の、レースでの技術的なものをなかなか生かせていない」ともどかしそう。

 「良くないエンジンの際に、うまく調整を合わせられていない。機力不足をスタートで補おうとするとフライングになってしまう。昨年は2度のFでリズムを崩した。今年はメンタル面を大事に。どんなときも冷静に粘り強く頑張ります」

 中国ダービーは一昨年の徳山大会でV。下関は通算優勝こそ一般戦の1度だけだが、?年のSGチャレンジカップで優出(4着)しており、相性は悪くない。「水面が広いのでターンがしやすい。やれるときはやれるイメージ」。あとはどれだけエンジンを合わせられるか、いかに“粘り強く”戦えるかが、大暴れのカギになりそう。

 昨年はグランプリ出場を逃した。「年末に向けて少しでも賞金を稼ぎたい。獲れるものは獲りたい」は偽らざる本音だろう。艇界屈性のターン技術、スピード、爆発力に、『冷静さ』がしっかりとかみ合えば…。あのときの年末のように、周囲をアッと言わせることをいとも簡単にやってのけてしまうだろう。そんな魅力たっぷりの男だ。まずは今大会を制して、年末に一歩でも近づきたい。

◆前本泰和(広島)

 広島支部のエースは昨年大会を制した前本だ。一昨年、初めてグランプリに出場。かつて“一般戦の鬼”と評された男が艇界最高の舞台まで上りつめた。

 18年も順調、のはずだった。児島の中国地区選を制し、2月段階で、この年2度目のG1制覇。2年連続のグランプリは間違いないと思われたが、4月のからつ周年優勝戦のフライングで暗転。G1出場から遠ざかり、最終的にはシリーズ戦回りを余儀なくされた。

 「一昨年にグランプリを初めて走って、やっぱりシリーズ戦とは空気が違った。あの中でもう一度走りたい。それが今年の目標。昨年はグランプリを意識しすぎて失敗してしまったので、一歩一歩、着実に近づいていけるように頑張る」

 19年はリベンジの1年だ。それでも肩肘に力が入ることはなく、いつも通りに涼しい表情で目の前の一走一走に臨むだけだろう。

 全24場制覇も成し遂げ、積み上げた優勝回数は108。同支部の先輩である西島や市川をしのぎ、今節ではレジェンド・今村に次ぐ2番目に多い数字だ。下関の中国地区選手権は10年大会でV。ナイターが始まった当地も17年6月の一般戦で通算100回目の優勝を達成しており、水面相性は悪くない。

 「出場するからには当然、優勝を狙って走る。ただ、強い選手もたくさんいるし、そう甘くはないでしょう。連覇は意識せず、目の前のレースに集中していきたい」

 今村、市川、白井に続く4人目の大会連覇なるか注目だ。

◆総展望

 初日12R「海響ドリーム」から3支部がガチバトルを展開する。SGウイナーがズラリと登場する。まさに3支部きっ抗を象徴するレースとなろう。この6人を中心に優勝争いが繰り広げられる。

 V候補筆頭は地元の白井で異論はないか。対抗も地元の寺田祥に期待。昨年はビッグヒットこそなかったが、最後までグランプリ出場を争い、新年は徳山正月シリーズを制して幸先良く滑り出した。

 広島支部は前本と山口が引っ張る。特に10年ぶりの地区選Vを狙う山口は年末年始にかけてリズム良好だ。岡山支部は茅原と吉田が出場する。意外にも地区選Vがないのが吉田。コース不問の攻めで初のチャンプを狙う。

 ドリーム組以外では地元の原田と海野康に注目したい。原田は当地3連覇中で、下関ナイター4Vは誰よりも多い。昨年11月から減量法を改良して今年はグランプリ出場を狙う。海野康は先月の江戸川周年でG1初優出。勢いに乗ってSG切符を目指す。もちろん、広島も岡山もドリーム以外に骨っぽいラインアップで勝負する。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る