G1地区選手権

【戸田G1関東地区選手権】高速ターン魅せる 地元エースの桐生

[ 2015年2月5日 05:30 ]

ターンに磨きをかけて地元G1開催に気合十分の桐生順平
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 60回目の関東チャンプは誰だ!?G1「第60回関東地区選手権」はあす6日、埼玉・ボートレース戸田で開幕する。虎視眈々(たんたん)とタイトル奪取を誓うのは、地元の若きエース、桐生順平(28=埼玉)。昨年9月の当地「第1回ヤングダービー」で初のG1優勝を飾り、さらなるステップアップを誓う。前回覇者の石渡鉄兵(40=東京)も連覇をもくろむ。

◆ホームプールV狙う 地元のエースに成長した桐生
 「戸田で開催するからには優勝を狙う」。地元のエースに成長した桐生順平が地区選への意気込みを聞かれた瞬間、力強く即答した。自信と意気込みは間違いなくシリーズ一番だ。

 昨年9月、初代覇者の座を誰にも渡すまいと誓った地元戸田での「第1回ヤングダービー」。スピードの申し子が結集した大会でG1初制覇。若手の頂点を極めた。

 暮れにはグランプリ戦士として平和島にも乗り込んだ。しかし、ダブルエース機の一つを手に入れながらもトライアル1ステージで脱落。「ヤングダービーは良かったが、SGで活躍できなかったのが悔やまれるところ」と、振り返るが「グランプリではいい経験ができた。プラスにとらえています」と、いたって前向き。「ものすごく意識が変わった。全て強化されている」と、ワンランク上の走りに期待だ。

 「グランプリしか見えてません。仲がいい茅原君の優勝はうれしいし、刺激をもらった。今年は目イチ行きます。目標はグランプリの最終日、12Rに乗ること」。全力疾走を誓った桐生。青写真を現実のものとするために1走1走が正念場だ。

 「もっとターンを追究したい。最後は結果。課程は関係ない」。ターン技術をさらに磨いて目指すは頂点。先ずは関東地区エースの座を確立させてから今年の記念戦線をスタートさせたい。

◆関東V2へ突っ走る石渡
 ただ一人連覇を狙える立場の石渡。前回の平和島大会優勝戦、インから他艇を寄せ付けず、江戸川以外で初のG1優勝を飾った。「東京支部を背負って立つ意識?そこは意識していかないと。埼玉勢の気合に飲み込まれないように頑張りたい」と優勝だけを見据える。

 江戸川の絶対王者“江戸川テッペイ”から関東の顔へ。昨年は平和島で14年ぶり開催のグランプリ出場を掲げ、奮闘した。関東地区選優勝後、一時足踏みしたが、夏以降ペースアップ。9月の児島周年記念準Vでチャレンジカップ(下関)出場のめどを付けた。

 その頃、伸び一辺倒のスタイルを“封印”。時には差し技で打開する臨機応変さを備えて「自分の中の引き出しが1個増えた」と進化を認める。人気バスケットボール漫画「スラムダンク」のせりふを引用した「断固たる決意で走ります」の決めぜりふも一層気合いが入り、執念を見せた。

 だが結果的にグランプリ出場を逃し、シリーズ戦参戦で面目を保ったものの、「もう少しSGで存在感を示せたら。優勝戦に乗りたいし、年末に勝負できるところにいたい」とリベンジを誓う。

 「スラムダンク」で好きなキャラクターは「あきらめたらそこで試合終了だよ」の名ゼリフで知られる主人公の恩師、安西先生。執念の走りを披露し、まずは地区選V2をつかみ取る。

◆急成長し注目株筆頭の毒島
 群馬支部では近年急成長を遂げている毒島誠に注目したい。昨年は2度目のグランプリ出場を決め連勝発進。システム変更が不利となり頂上決戦には進めなかったが「勝てなかったことは悔しいが、経験値を上げられた。次に生きるなって思っています」と、大きな収穫を得ることができた。

 今年のスタートは桐生の正月レース。パーフェクトVまで王手としながらも優勝戦でFの勇み足。ここで勢いが止まるのかと心配されたが、戸田の一般戦で優勝。そして宮島、住之江の周年記念で連続優出の大暴れ。

 山崎智也と並び群馬の二枚看板を背負う存在を定着させた。「まだまだ挑戦者だと思っていますが、ターンや調整の幅が広がってきたし精神面もいい方向にいっています」。ひと回り大きくなった新エースが関東地区選に乗り込む。

◆存在感を見せつけたい地元若手のホープ・黒井
 今年、戸田ボートでの正月開催。SGジャンパーで作業をする黒井達矢の姿が目についた。

 昨年9月、当地で開催された「第1回ヤングダービー」では優勝こそ逃したものの桐生との地元ワンツーは印象的だった。12月には平和島グランプリシリーズでSGデビュー。4走目には水神祭を果たし大きくジャンプアップした一年だった。

 「SGジャンパーを着てるからと言って、自分は何も変わっていない。後輩たちが見て意識してくれればと思って。みんなで着たいですからね」。逸材の若手を多く抱え激戦区とされている埼玉支部。黒井は桐生と共に若手をリードすることを決意。鮮やかなSGジャンパーはその証だ。

 「今年は1つでも多くSGの権利を獲れるよう、高い意識で走りたい」。さらに前に進むためにも、この関東地区選手権で存在を見せつけたい。

◆4度目の戴冠を見据える平石
 昨年暮れの平和島グランプリで優勝した茅原悠紀。6号艇で勝った姿を、03年の当地オールスターを制した平石と重ね合わせる人も多いだろう。だが、当の本人は「凄いね。やはり優勝戦にいないとチャンスはないってこと。昨年は勝負できる場にいられなかった」と悔しさをにじませる。

 昨年は10月の戸田周年記念で優出(3着)などチャンスがなかったわけではないが、優勝0回。「もう少し厳しくというか、丘の上の生活態度から気を引き締める」と発奮。今年からマスターズチャンピオン(名人戦)を走る年になったが、さらなる進化を求める。

 関東ダービーは97、03、08年と過去3度制覇の実績。「地元(戸田)ではまだないし、クラシック(尼崎)出場の最後のチャンス。優勝しか考えない」と4度目の戴冠を見据える。

◆地元ヤングの中田
 2日目12R「ウインビードリーム戦」の6号艇に抜てきされたのは、地元ヤングの中田だ。だが昨年の活躍を見れば、誰も驚かないだろう。昨年6月の江戸川周年記念で、予選1位から優勝戦1号艇を獲得。惜しくも2着に敗れたが、その存在を知らしめた。SG初出場のダービー(とこなめ)では1度も舟券に絡めず、悔しい思いをし「とにかくSGに出たい」と気合十分。“封印”したSGカッパを再び着るチャンスをうかがう。

◆関東「二大巨頭」の浜野谷&山崎
 浜野谷憲吾と山崎智也。関東“二大巨頭”の15年は、共に幸先の悪いスタートになった。浜野谷は平和島の正月開催を負傷で途中帰郷。さらに宮島周年でF。平和島で「先が思いやられる」と話していたが、その通りの流れになっている。一方の山崎は桐生の正月開催を欠場。次のからつ周年も途中帰郷してしまった。だが、今年3節目の住之江周年を制覇。リズムはV字回復している。得意の戸田水面で、この勢いが加速するか注目が集まる。

◆悲願のSG制覇へ波に乗りたい須藤
 昨年7月の蒲郡、12年6月の三国に続く2度目のG1制覇を果たした須藤博倫。記念での実績はつくったが、年間通し優勝はその1度だけ。決して納得のいく1年ではなく「去年、良かったのは蒲郡だけで実力的にまだまだです。早く流れに乗せたい」と、リズムアップの機会をうかがっている状態だ。悲願のSG制覇のためにも、まずは関東地区選で腕試し。一気に波に乗りたい。

◆復活を期す斉藤
 一昨年はグランプリに出場した斉藤仁。だが、昨年はSGやG1で目立った活躍がなく、後半はSG舞台から姿を消した。それでも「自分としては調子が悪かったと思ってない。13年が良すぎただけ」と振り返る。15年の目標は「昨年の調子が悪かったと言われるような成績を残す」こと。斉藤の今年の記念ロードは関東地区選からスタート。復活の足掛かりをつかみたいところだ。

◆“ラストチャンス”へ挑む三角
 昨年のSGで優出した関東勢は3人。三角哲男もその1人だ。8月のメモリアルで19年ぶりにSG優出。古豪健在をアピールした。「昨年は久々にSGを走らせてもらって、先輩からも後輩からも見習うべきところがいっぱいあった。今年はクラシックに出られないので、ダービー出場を目指したい」。いや、クラシック出場権を得る手段はまだ残っている。関東地区選Vだ。ラストチャンスに挑む三角から目が離せない。

◆水面傾向
 戸田漕艇場の西側に位置する淡水のプール。水面の幅が全国24場の中で最も狭く、1Mから対岸までの距離は70・5メートルしかない。インから十分な回りシロを確保することが難しいため、昨年の1コース1着率は38・2%と全国で2番目に低い。その数字は全国平均(47・4%)を大きく下回る。対照的に、4コースの1着率は17・7%で全国1位。3コース1着率も同2位となる16・1%をマーク。日本一、センターが利くレース場と言えるだろう。スタートや全速ターンで攻めるタイプの選手に注目したい。

◆エンジン分析
 現行エンジンは昨年7月に導入。しかし、エース機と言い切れる絶対的な存在はいない。近況の気配からトップクラスと呼べるのは58号と34号。昨年末に浜崎直矢が準完全Vを達成した58号は、行き足を中心にレース足が軽快。34号は温水パイプを装着してから上昇。伸び型の好調機だ。2連対率10位の23号も最近2節の動きが目を引く。同12位の33号も、金田諭の正月レース制覇など上昇ぶりが目立つ。2連対率上位の12、16、20、28号などは乗り手に左右される印象が強い。

◆初日12R展望
 初日12R ダブルドリーム第1弾は「ドリーム土屋圭市杯」。外枠勢が枠なりタイプだけに、ピット離れが互角なら進入に動きはないだろう。インは戸田水面と好相性を誇る山崎。1M先マイで逃走態勢を築きそうだ。強敵は地元勢の2人。カド受けの浜野谷がF持ちだけに、カド黒井にとって絶好のスリット隊形になる可能性は十分。まくりサク裂も考えられる。山崎と黒井が競る展開なら、平石の差し浮上も。黒井の攻め次第では、三角と秋山にもチャンスはあるだろう。

◆2日目12R展望
 2日目12R 第2弾の「ウインビードリーム」も前付けタイプが不在。ただ、5号艇の毒島はピット離れで突き抜けることが多々ある。展示から目が離せない存在だ。進入が枠なりに収まれば、中心はイン桐生で不動。走り慣れた地元水面だけに、スタートを決めて先マイを果たすだろう。石渡は差し、須藤はダッシュ勢の攻めを止めての外マイが濃厚だ。一発の魅力なら熊谷のカド一撃。毒島も旋回力があるだけに、アウトからでも好勝負可能だ。中田は差してどこまで迫れるか。

◆クオカードが当たるキャンペーン実施
 BOAT RACE振興会では、全国6地区選手権競走に併せて「ドリーム戦勝利者当てプレゼントクイズ」を実施している。キャンペーンサイト(別掲)から各地区選手権競走初日ドリーム戦の1着を予想するもので、各地区ごとに最大6回応募できる。的中者の中から抽選で新CM特製クオカード500円分=写真=を合計120人(6地区×各20人)にプレゼント。応募締切は、戸田・びわこが6日16時30分、児島・からつが8日16時30分、浜名湖が10日16時30分、丸亀が10日20時30分)まで。

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