藤井正弘の血統トピック

【朝日杯FS】ファンタジスト2歳王者の“実績”

[ 2018年12月13日 05:30 ]

 ディープインパクトとロードカナロアによる空中戦が展開されてきた今年の2歳リーディング戦線だが、ダノンファンタジーの阪神JF制覇によって両者の差は約1億6000万円まで広がった。残るJRA2歳G1は2レース。今週の朝日杯FSにグランアレグリアを送り込むディープインパクトが1着賞金7000万円の加算に成功すれば、年末を待たずに3年連続8度目の戴冠が確定的になる。一方、後がなくなったロードカナロアはケイデンスコール、ファンタジストのグレード勝ち馬2頭出し。“ワンツー”なら辛うじて逆転の可能性が見えてくる。

 96年マイネルマックス以来、22年ぶりの2歳グレード3連勝に挑むファンタジストは、皮肉なことに母の父がディープインパクト。今年の日本ダービー馬ワグネリアンは父ディープインパクト、母の父キングカメハメハという総合リーディング1、2位の呉越同舟の産物だったが、そのお返しというべきか、今度はディープインパクトの方が母の父に回って2歳リーディング眼下の敵に塩を送った形となる。

 ファンタジストの母ディープインアスクは、10年前にBCジュヴェナイルを制して米2歳牡馬チャンピオンに輝いたミッドシップマンのいとこ。国は違えども2歳王者決定戦には実績のある牝系と言える。血統的には一歩リードとみておきたい。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る