“名古屋のアイドル”木之前、大舞台で初V願ってます!

[ 2019年2月14日 05:30 ]

菜七子G1初騎乗記念連載(3)

木之前葵(左)と藤田菜七子
Photo By スポニチ

 日本で唯一のハートマークの勝負服にキュートな笑顔。木之前葵(25)は名古屋競馬の“アイドル騎手”として抜群の人気を誇る。JRAで16年ぶりの女性騎手としてデビューし、注目を浴び続ける藤田菜七子と境遇は最も近いだろう。

 木之前がデビューした13年の名古屋は、11年に宮下瞳が引退し、山本茜はケガで長期療養中(騎乗がないまま15年に引退)と女性騎手が不在。加えて、12年度まで続いた経営赤字で廃止の危機にひんしていた。木之前はそんな名古屋の救世主としても期待され、イベントやテレビ出演にも引っ張りだこ。午前2時前から25頭前後の調教に乗り、名古屋と笠松でもレース騎乗と目まぐるしい忙しさだった。

 そんな中でも順調に勝利を重ね、16年にはキャリアハイの年間70勝を挙げた。重賞5勝は全国の女性騎手トップでもある。G1も14年盛岡JBCレディスクラシックで初騎乗(ブレーヴスキー14着)。16年JDDでは地元の雄カツゲキキトキトに騎乗し6着だった。

 着実に力をつけているが、変わらず求められる“アイドル”の一面をどう思うか。木之前は「“アイドル”と言われることは少し恥ずかしいし、自分には向いていないと思う時もあった。騎手として見てもらいたいとも思ったが、それでも私を通して名古屋競馬を知ってもらえるならいい。取材もしてもらえる。注目されるのはありがたい」。そう言ってニコッと笑った。その笑顔はやはりかわいいが、落馬で鼻骨骨折しても2週間後には復帰したガッツの持ち主。現実を受け入れて、それでも自分は自分と前を向く力強さを持つ。

 1カ月ほど前から始めたトレーニングの話になると目を輝かせた。「今までもDVDを見ながらトレーニングしていたが最近、馬上で体が傾き、しっくりこないことが多くなり専門のトレーナーさんのところに通いだした。教えてもらうと楽しいし、自分では気付かないことも分かる。まだ1カ月ちょっとだけど、前開催(1月29日〜2月1日)で4勝したので効果があるのかな。凄く良く乗れる時があるし、自分にはいいところがあると信じている。いい時の感覚を毎回出せるよう技術を磨いて覚醒状態の木之前でありたい」。トレーナーがつけば費用もかかるが、プロとして自己投資に賞金の高い低いは関係ない。

 G1騎乗の菜七子をうらやましいと話す。「菜七子ちゃんにはG1初騎乗Vをやってほしい。JBCはパドックの雰囲気が全然違って緊張したし、JDDはほかの騎手に厳しい競馬をされ“全国区”を感じた。私もまたG1に乗りたい」。大舞台に焦がれる気持ちはアイドルであってもなくても同じ。プロならば当然の気持ちだ。

 ◆木之前 葵(きのまえ・あおい)1993年(平5)7月10日生まれ、宮崎県三股町出身の25歳。名古屋・錦見勇夫厩舎所属。13年4月15日、名古屋2Rアポロセラヴィ(4着)でデビュー。同17日、名古屋5Rのオーバルライトで初勝利。15年に英国で行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」で海外初勝利。地方通算4609戦316勝(13日終了時点)。1メートル49、血液型O。ランニングを趣味にしたいと考え中。レース前はテンションが上がる曲を聴く。今はDA PUMPの「U.S.A.」がお気に入り。

続きを表示

この記事のフォト

「2020 ジャパンC」特集記事

「京阪杯」特集記事

2019年2月14日のニュース