「集団左遷」神木隆之介が珍しい?先輩姿「欲ない」も同世代から刺激「別のお芝居の仕方」模索 令和も進化

[ 2019年5月5日 09:00 ]

日曜劇場「集団左遷!!」にレギュラー出演している神木隆之介(C)TBS
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 俳優の神木隆之介(25)がTBS日曜劇場「集団左遷!!」(日曜後9・00)にレギュラー出演。珍しい(?)先輩姿を披露している。約20年のキャリアを誇るが「昔から目標がない」。今回も変わらず「ただただ、お芝居ができていれば、それで楽しい」と無欲な中、染谷将太(26)ら同世代の俳優から刺激。「彼らのことを本当に尊敬しているので、彼らのようにもっともっと違う演技をしてみたい。今までとは別のお芝居の仕方ができるようになりたいとは思います」と告白した。新時代「令和」も神木の進化は止まらない。

 歌手で俳優の福山雅治(50)が主演を務める“平成最後にして令和最初”の同局看板枠・日曜劇場。作家・江波戸哲夫氏の「新装版 銀行支店長」「集団左遷」(講談社文庫)を原作に、50歳を目前にして廃店が決まっている三友銀行・蒲田支店の支店長となった片岡洋(福山)とリストラ寸前の銀行員たちが協力して巨大組織の理不尽さに立ち向かい、下剋上に挑む姿をユーモラスにエネルギッシュに描く。

 神木が演じるのは、蒲田支店法人営業1課の滝川晃司。中学・高校・大学とエリート学校を卒業し、三友銀行に入行した秀才。頭脳も運動神経も抜群で、性格はクールにして器用。新宿西支店や大阪支店の法人営業を受け持つ幹部候補生だったが、ある出来事がきっかけにドロップアウトした。通称「奈落のエリート」。

 今回の新しい面を尋ねると「後輩がいることですね」。俳優の井之脇海(23)演じる法人営業2課の平正樹はイマドキの若者らしく気が弱く、真面目すぎる性格で「死にたい」が口癖。一方、空気が読めず、滝川に怒られることもしばしば。井之脇は実際に神木の中学の後輩で「リアルな先輩と後輩なので、その関係性が2人のちょっとしたやり取りに生かされると思います。今までは後輩役が多かったので、視聴者の皆さんも『神木も先輩になったんだな』と感じていただけると思います」と笑った。

 1993年生まれ。母親が応募して芸能事務所入り。99年、TBS「グッドニュース」でドラマデビューを果たし、映画「お父さんのバックドロップ」やNHK大河ドラマ「平清盛」をはじめ、映画「桐島、部活やめるってよ」「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」「3月のライオン」、ドラマ「SPEC」シリーズ、「学校のカイダン」「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」など、数々の話題作・ヒット作を生んだ。「君の名は。」などアニメ映画での声の出演も目覚ましい。

 2005年の映画「妖怪大戦争」(監督三池崇史)が“転機”の1つ。「もともと話をするのが好きだったので、小学3年生ぐらいの時に『話を聞いてくれる大人たちがいる』ということで(笑)『現場が楽しい』と思い始めたのですが、小学5~6年ぐらいの『妖怪大戦争』の頃から『別の人間になることが楽しい』と本格的に思い始めたかもしれません。寂しくて、お姉ちゃん(成海璃子)に電話をしながら泣くシーンがあったのですが、僕自身は寂しくない。でも、彼(役)にとっては、お姉ちゃんはすごく大事な存在。ということは(演じるということは)『違う人間になることなんだ』『違う人生を歩むことなんだ』と。それが楽しいと思えるようになりました」と振り返った。

 神木が大切にしている演技のテーマの1つが「臨機応変」。今回は「キャラクターがそれぞれ濃い設定になっているので、いろいろと試す人が多いと思います。次はこうしてみよう、あれをやってみようという現場。チームワークもすごく良いので、全体的に楽しく臨機応変にやれている現場だと思います」と手応えを示し「アドリブを振られたら(役の)滝川で瞬時に返さなければいけない。(神木の)素が出たら、ダメなんだと思います。返すのか、返さないのかも滝川なので、無視だと思ったら、そっぽを向いて行ってしまえばいい。だから、アドリブに対応するためには、普段からそういう(役の)思考になってないとダメなんだと思います」。10年のTBS「ブラッディ・マンデイ Season2」はハッカー役。「ハッカーなんてやったこともないですが、キャラクターとして作らなければいけない。こういう性格で、こういう思考回路なんだ。じゃ、こういうしゃべり方なんだ、こういう声のトーンなんだ…と、普段からあれこれ考えるのが楽しいんです」と「(今まで)苦しんだことはないかもしれません」と語る役作りについて明かした。

 「昔から目標がない」と公言。今回も「ただただ、お芝居ができていれば、それで楽しいと思っているので。欲がないのかもしれません」と変わらないが「すごく大雑把で、今のところフワフワとした考えですが、今までとは別のお芝居の仕方ができるようになりたいとは思います」と打ち明けた。

 「先ほどお話しした今の自分のお芝居を一度、隅に置いて、何か違う柔らかさや硬さが表現できたり、何か違うセリフの言い方ができたらいいなと。でも、いつできるか分からないですし、40(歳)ぐらいになっているかもしれません。別の芝居の作り方は、具体的にはまだないのですが、同世代の役者さんを見て、うらやましいと思うこともあります。染谷将太くんとか池松壮亮くんとか、女性だと二階堂ふみさんや杉咲花さんもそう。今の自分以外のものを取り入れて、混ぜたり削ったりブレンドしたりして『今までと何かちょっと違う?』みたいなものを発見していきたいという楽しみはあります。(染谷ら)彼らのことを本当に尊敬しているので、もっともっと違う演技をしてみたい」

 新時代「令和」の映画界・ドラマ界も支えるべく、神木は同世代と切磋琢磨、さらなる進化を遂げる。

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2019年5月5日のニュース