裕也さん「僕は今、あの世にいます」肉声に会場どよめき

[ 2019年4月4日 05:30 ]

内田裕也さんお別れの会「内田裕也 Rock’n Roll葬」の祭壇
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 3月17日に79年の生涯を閉じた内田裕也さんのお別れの会「Rock’n Roll葬」が3日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。長女でエッセイストの内田也哉子さん(43)が喪主を務め、芸能関係者と一般ファン合わせて1700人が参列した。「僕は今、あの世にいます」という故人の肉声が流れて会場はどよめき、堺正章(72)の弔辞には笑いや拍手が起こるなど、裕也さんらしく型破りなセレモニーだった。

 開式から13分ほどたったころ、裕也さんの人生を約5分にまとめた映像が会場のモニターに映された。その冒頭に流れたのが「僕は今、あの世にいます。ロックンロールに生きて、ロックンロールで死んでいけたことに感謝します」という裕也さんの肉声だった。  「えっ?」と、声にならない声がさざ波のように会場のあちこちから起こった。実はこの声、裕也さんが2015年に出演した奈良県の葬儀会社のCMで使われたものだった。  「コミック雑誌なんかいらない!」で裕也さんと仕事をした滝田洋二郎監督(63)が演出。「バラの花が舞う中で裕也さんが人生を語るという内容。関西ローカルのCMですが“亡くなった時に流れるとぴったりですね”と冗談を言うと、裕也さんが“それ、おもしれえなあ”と乗ってくれたことを思い出します」としのんだ。  その後、親交が深かった堺らが弔辞を読み上げた。堺はかつて裕也さんから「歌手として長生きするにはどうしたらいいか分かるか」と問い掛けられた秘話を明かし「“ヒット曲を出さないことだ”と答えていましたね。それをあなたは貫かれました」と遺影に語り掛けて笑いを誘った。

 75歳の誕生日に裕也さんが参院議員のアントニオ猪木氏(76)から闘魂注入のビンタを受けたエピソードも披露。「“30年ぶりにクラッと来た”と言ってました。僕が“30年前は誰に殴られたんですか?”と聞くと“樹木希林に決まってんだろ”と…」と話してまた会場を沸かせた。そして「あなた一人がこの世にいたんじゃ危ないと、樹木希林が呼んだんです。天国でもロックンロールをやってください」と締めると、拍手が起こった。
 裕也さんの戒名は「和響天裕居士(わきょうてんゆうこじ)」で、東京都港区にある内田家の菩提(ぼだい)寺「光林寺」の住職が本木夫妻の希望で「響」と「和」の文字を入れて考案。「天上でも音楽を奏で続け平和を願う」という意味が込められた。希林さんには「世を映し出す」という意味で「鏡」を使い、裕也さんには「世に響かせる」という意味で「響」の文字を使用。偶然にも新元号「令和」の「和」も使われた。

 ◯…幅16メートル、縦3.5メートルの祭壇は裕也さんが主催する年越しライブ「ニュー・イヤーズ・ワールド・ロック・フェスティバル」の第1回公演(1973~74年)のために美術家の横尾忠則氏(82)が制作したポスターを再現したもの。菊やバラなど1万5000本の白い花で飾られた。遺影はLEDモニターに映し出され、在りし日の動画も流された。メインは近田春夫(68)のプロデュースで09年に出版された本「内田裕也 俺は最低な奴さ」用に撮影された、裕也さんお気に入りの一枚。会場にはエルビス・プレスリーの「監獄ロック」など生前愛聴したロックが流れた。

 

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