渡辺棋王、4連勝で“王将”奪還 5期ぶり2冠!新たな時代の扉開けた

[ 2019年2月26日 05:30 ]

第68期王将戦7番勝負第4局第2日   久保利明王将(4敗)VS渡辺明棋王(4勝) ( 2019年2月25日    沖縄県那覇市・琉球新報本社ビル )

4連勝で王将タイトルを獲得した渡辺棋王はちゅら海の映像をバックに三線を手に笑顔(撮影・村上 大輔)
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 挑戦者の渡辺明棋王(34)が96手で久保利明王将(43)を下し、シリーズ4勝0敗で第63期(2013年度)以来、5期ぶり3度目の王将位を獲得した。第1日からリードを奪い、終盤は久保の猛反撃を冷静にかわして逃げ切った。終了時間は午後5時53分。これで渡辺は棋王と合わせ2冠保持者となった。王将戦での4戦全勝決着は14期ぶり10回目。

 強い強い渡辺が帰ってきた。

 「先に詰めろになったので、そのあたりから良くなったかと…」と振り返ったのは77手目[先・久保]1三銀以降のめまぐるしい展開だ。第1日から広げていたリードが終盤に入って突然縮まったシーン。気がつけば久保から捨て身の総反撃を受けている。「逆転か」と検討陣が色めき立った同じ時間帯に、当事者の渡辺はしっかり勝ちを見切っていた。

 2二に金をじっと寄る。駒台の金を使わなかったのが肝だ。さらに1三の銀を手に入れた時点で攻めがつながった。「(主導権を奪い返して)先手先手となるので」。顔を真っ赤に上気させながら即詰みに討ち取る。終わってみれば完全なる勝利だった。

 棋士生活初めてといっていいスランプから完全に脱した。昨年度は竜王位を失い、さらに順位戦A級からも陥落。急激に変化する戦法への対応に苦労し、持ち味の切れを失っていた。

 復活を期した今年度は自身が苦しんだ古典的戦法を積極的に取り入れて「渡辺流」に昇華させた。順位戦B級1組では無敵の11連勝でA級復帰が決定。今年度ランク1位の15連勝もマークしている。王将戦も付け入る隙のない4連勝。文句のないカムバックだ。

 「挑戦者に決まってから(復位は)目標にしていた。それを達成できてとてもうれしい」

 趣味のサッカー、競馬に加え、最近は「氷上のチェス」カーリングの研究に余念がない。

 「次の次、その次を考えながら石を投げるのが将棋に似ているから」。

 多方面にアンテナを張り、一見無駄な情報も自分の糧とする。そんな姿勢も、5期ぶりの王将奪還につながったのは間違いない。

 ◆渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年(昭59)4月23日生まれ、東京都葛飾区出身の34歳。所司(しょし)和晴七段門下。00年3月に四段昇段を決め、史上4人目の中学生棋士に。タイトルは竜王と棋王の永世資格を持つほか、王将3期など計21期は歴代5位の記録。趣味は競馬、フットサル。

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