渡辺棋王3連勝!復位王手 先手の利生かした超速戦奏功

[ 2019年2月8日 05:30 ]

第68期王将戦7番勝負第3局第2日 ( 2019年2月7日    栃木県大田原市・ホテル花月 )

王将戦第3局を制し大田原の地酒で祝杯をあげる渡辺棋王(撮影・吉田 剛)
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 挑戦者の渡辺明棋王(34)が107手で久保利明王将(43)を下し、3連勝。5期ぶりの復位に王手をかけた。第1日から仕掛けた端攻めをこの日も厳しく継続。昼食休憩前後についたわずかなリードを徐々に広げ、完勝に近い白星だった。終局は午後6時22分。第4局は24、25日に沖縄県那覇市で行われる。

 ややずり下がっていた眼鏡を右手でツンと上げ、盤面をのぞき込む姿に余裕が漂う。読み抜けがないかの最終確認を終えた渡辺が駒台の金をつまみ上げ、9二にパチリと打ったトドメで久保は頭を下げた。

 「やっていかないと面白くない将棋なので、攻めていってどうなるかと」。3局連続でゴキゲン中飛車に構えた振り飛車のスペシャリストに対し右銀を前線に繰り出す超速戦法を採用。先手の利を生かしてアグレッシブな攻めを見せる一方、自陣は巧みな準・船囲いに組み上げた。この堅い陣形が最後まで乱れなかったのだから大きい。後手から成り駒で攻められたのは最終盤98手目の[後]9八香成ただ一度だった。

 銃後の守りが安泰であれば腰を据えて攻撃に専念できる。第1日に手を出した9筋の端攻めを根気よく継続した。87手目の[先]9三同飛成で、決断よく飛車を切った手が鋭かった。実は20手前の67手目[先]9三歩については「その指し方がどうだったか。ちょっと攻めが思ったよりいかなかった」と首をひねったが、美濃囲いを崩す定跡にこだわった愚直さが奏功したとも言える。

 対する久保は声にも張りがない。「[先]6二銀(83手目)から寄せられると(守備の)作りがまずいということになる」と、自身の生命線とも言うべき美濃囲いを破られ、目を伏せるばかり。「もう少し辛抱しなければいけなかった」と反省しきりだ。

 渡辺にとっては望外の3連勝。王将位奪回まで1勝と迫った。「第4局まで2週間。しっかり作戦を練って臨みたい」。その2週間で棋王戦、朝日杯オープン戦といった濃密な戦いをこなす必要があるものの、ここに一つの心強いデータがある。過去の王将戦、開幕3連勝した棋士はことごとくタイトルを手中にしているという厳然たる事実。

 挑戦者の勢いは容易に衰えそうにない。

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