江波さん 素顔も男前の酒豪、一晩でブランデー1本「女優三役クラス」

[ 2018年11月3日 09:29 ]

江波杏子さん死去

70年7月、ドラマ「女三四郎」の撮影現場でポーズを取る江波杏子さん
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 【評伝】江波さんは竹を割ったようなサバサバした性格。あけすけで頑固で“男前”なことで知られた。喜怒哀楽が激しく、インタビューで「フリーセックスとか絶対イヤ。あんなの風俗じゃないの」と語るなど、表現もいつもストレートだった。

 20代の時は、一晩でウイスキーやブランデーのボトルを1本空けたほどの酒豪。オン・ザ・ロックでグイグイと顔色を変えずに杯を重ねていき、「女優酒豪番付の三役クラス」と評されたこともある。愛煙家でもあった。

 一方、家事が好きで、特に掃除は「異常なほど好き」と言うほど。スポニチ本紙のインタビューに「ヌルヌル、ズルズルしてるのは物でも人間でもぜ〜んぶ嫌いっ!」と話すなど、何事もスッキリさせるのが信条だった。料理も得意だった。

 趣味は読書。好きな作家は渋沢龍彦氏、開高健氏、村上春樹氏ら。書店に3時間いることもあった。撮影の合間に自分をクールダウンさせるためにも読書は効果的だったという。新聞も好きで、文字を見ないと寝ることができないというほどの“活字中毒”でもあった。

 「女賭博師」シリーズで和装の印象が強いが、プライベートではレザーコートやブーツなどを早くから着用。流行を先取りした。

 ギャンブルは元々大嫌いで、競馬もパチンコもやらなかった。後に麻雀だけは覚え、フジテレビの麻雀バラエティー番組「THEわれめDEポン」に出演するほどのめり込んだ。豪快さと繊細さを兼ね備えた“昭和の大女優”だった。

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