残間里江子 山口百恵自伝の仕掛け人、60歳過ぎに活躍の場を
出版、映像、文化イベントなど幅広く活躍するプロデューサーの残間里江子(66)が、ユニークな活動に携わっている。それが、新しい大人像の創造を目指す「クラブ・ウィルビー」。かつて山口百恵の自叙伝「蒼(あお)い時」を手掛けたことでも知られる仕掛け人。今、その目に映るものは?
「クラブ・ウィルビー」を立ち上げたのは、今から7年前。ほんのちょっとした友人との会話がきっかけだ。
「あの頃、60歳を過ぎた人たちが着る洋服といえば、地味な色やデザインしかなかったんですね。アパレルメーカーの40代の担当者から見れば、相当なおじいさんおばあさんという印象だったのかもしれません。その時、私の周囲の人たちに聞いたら、みんな、“そんな服、着たくない”という返事ばかりでした」
年齢は数字ではない。青春時代をビートルズで過ごした世代は、今でもギターを手にロックも歌えば、湘南サウンドに乗ってサーフィンもする。還暦を迎えても、赤いチャンチャンコでひとくくりにされたくない。それぞれの社会で経験したこと、身に付けた貴重なスキルもある。このまま埋もれさせてはもったいない。
「実はそう思っている人がとても多いんです。なぜそれに気が付かなかったのでしょうか。世の中のためにもっと役立ちたい、次世代の人たちのために自分たちで伝えられることをバトンタッチしたい。じゃあ、そのお手伝いをしようじゃないのと始めました」
現在、メンバーは全国に約1万3000人。その中には、作家、アーティスト、クリエーターなど多数の有名人も含まれている。ゲストを招いて人生や社会の在り方を考える「フォーラム」から「メンバー交流会」「そば打ち道場」まで硬軟取り交ぜたプログラムがある。入会金、年会費などは無料、その都度、参加費を払うシステム。8月には、東京大学で「大人のための短期集中ゼミ」を開催。ゼミには「民主主義と戦争、平和の関係を考える」を講義した国際政治学者の三浦瑠麗さんらあえて30、40代の講師を招いた。
「参加したメンバーの中には、年齢的に自分の娘や息子から教えてもらっているような感覚を抱いた人も多いと思います。普段はあまり話す機会もない若い先生と意見交換したりするわけですから、お互いにいい刺激を受けたと思います」
高齢化社会に向けてひた走る日本。これから何よりも大切なことは、世代を超えて理解し合うための「機会と場」をつくること。社会学者の古市憲寿さんと進行役を務めるBS―TBS「Together~だれにも言えないこと~」(毎月第1土曜後11・00)もそのひとつ。「昭和根性主義VS平成コスパ主義」など毎回タイムリーなテーマを年齢の壁を取り払い語り合っている。
一通の手紙が事務所に舞い込んだ。差出人は山口百恵。「我が儘(まま)な…生き方を私は選びました」。80年3月7日、劇的な婚約引退会見の直後だった。便箋に書かれた丁寧な文字。そこには40社近い出版社から自叙伝を出してほしいとの依頼があること、しかし、どれもこれも実際に書くのはゴーストライター。最後に「私は自分で書きたいんです。一緒に手伝っていただけませんか」。
驚いた。それまで一度だけ百恵にコメントを頼んだことがあった。結婚することを知り、「幸せになってください」とグリーティングカードを送ったが、思いもよらぬ話だった。「夜のヒットスタジオ」終了後、六本木のカフェバーで会うことになった。店に入ると奥の席に百恵が一人でぽつんと座っていた。
本を出版するにあたっては、編集者として絶対に譲れないものがあった。「よくあるアイドル本のようなきれいごとにはしたくない。両親のことや青い性というイメージで成功したのだから性についての考えもちゃんと書いてほしい。ただ、真実と事実には必ず距離がある。あなたにとっての真実を書いてください」。それを伝えると百恵は静かにうなずいた。
それからがプロデューサーとしての腕の見せどころ。何よりも先に所属事務所ホリプロの堀威夫氏の元へ許諾をもらいに走った。なかなかゴーサインが出ない。2カ月、3カ月が過ぎた。ある日、事務所に顔を出すと、ようやく「どこから出すの?」と声をかけてもらえた。出版社もあらかじめ、めどを立てておいた。芸能誌に育てられたスターなのだから、平凡社か、明星の集英社。結果、集英社に決まった。
当の百恵は4月から半年後のファイナルステージに向け、各地で引退公演に忙しかった。「この日までに20枚書いてください」。無理を承知で締め切りを決めた。コンサートで疲労困憊(こんぱい)になりながらも百恵は徹夜で原稿を書き続けた。都内での公演に向かう車の中、「百恵ちゃん、タイトルは何にする?」「何か好きな言葉とか色はない?」。すると「私、夜が明ける直前の蒼い空が好きなんです」。その字をとって「蒼い時」に決めた。
「出生」「性」「結婚」…。出来上がった本には注文通りの目次が並んだ。表紙デザインから宣伝まですべて自分のやり方を貫いた。残間里江子、30歳。女性誌の記者を辞め、自身の企画会社を立ち上げたばかり。プロデューサーとしての第一歩だった。 (敬称略)
◆残間 里江子(ざんま・りえこ)1950年(昭25)3月21日生まれ、宮城県仙台市出身。静岡放送のアナウンサーを経て雑誌記者に。80年、企画制作会社「キャンディッド・コミュニケーションズ」を設立。出版の他、ユニバーサル技能五輪国際大会など数々のイベントをプロデュース。コメンテーターとしても活躍。「閉じる幸せ」(岩波新書)など著書多数。
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