法廷で語られることがなくなった事件の真相 高畑裕太の今後は…

[ 2016年9月15日 09:50 ]

前橋警察署から釈放され頭を下げる高畑裕太

 謝罪の声の大きさと、30秒間も直角に腰を曲げて頭を下げたことに驚いた。強姦(ごうかん)致傷事件で不起訴処分となり釈放された俳優の高畑裕太(23)。9日に勾留先の群馬県警前橋署から出る際を取材した。

 「このたびは多大なるご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」。腹の底からの叫ぶような声だった。隣にいたテレビ局の記者は「まるで応援団のような声の張り方だった」と率直な感想を話していた。マイクを使わない生声の謝罪では、どちらかと言えば声が小さくてあまり聞き取れないことが多い。それが、高畑の声を録音したレコーダーを聴くと、声が大きすぎて逆に音が割れてしまっていて聞き取りづらいぐらいだ。

 釈放された高畑が前橋署を出たのは9日午後2時21分。前日8日深夜に「示談が成立し、不起訴処分となる可能性が高い」との情報を得たため、記者は9日午前に東京から前橋署に向かった。到着した午前11時頃は報道陣は10人ちょっと。それが釈放時には50人以上となっていた。前橋署の近隣住民も敷地外に集まり、物々しい雰囲気だった。

 その緊迫した空気を突き破るかのような高畑の声。そしてカメラに向けた鋭い視線。心理学者はその行動を「納得していない部分があるのでは」などと分析していた。その理由は何なのか。ホテルの密室で男女の間に何があったのか。だが、不起訴処分となったことで、法廷で事件の真相を当事者が語ることはなくなった。あの声の理由を知ることもできない。

 心身の調子が良くないため埼玉県内の病院に入院している高畑は、13日に23歳の誕生日を迎えた。不起訴処分になったとはいえ、イメージを大事とする芸能界への復帰は絶望的な状況だ。どのような1年を過ごし、これからの人生をどう生きていくのか。(記者コラム)

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2016年9月15日のニュース