松田龍平「俺 わりとできる男」淡々と言ってのける愛されキャラ

[ 2016年3月29日 10:05 ]

俳優として成熟期を迎え今後の活躍が期待される松田龍平
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 俳優の松田龍平(32)が大島渚監督の遺作「御法度」で華々しくスクリーンに登場してから17年。今では日本映画界をけん引する若手の一人に成長し、今年も複数の出演作が公開される。「ミステリアス」と形容されがちだが、壁がなく自然と周囲を和ませる人柄。俳優として成熟期を迎え、海外での活躍にも目を向けている。

 共演者や周囲が語る人物像は「マイペース」「天然」。本人はこの評価を「違いますね」と否定しつつ、「でもそう思ってもらえるのは、余裕があるように見えるってことだからラッキー」と笑顔で受け止める。力みがなく自然体で、懐の深さを感じさせるおおらかさ。「舞台あいさつやバラエティー番組で余裕がない僕をたくさん見せてると思うんですけどね。ごまかすのがうまいんで、これからはもう少しさらけ出していきたい」と意気込んでみせた。

 シャープな顔立ちとほのぼのとした雰囲気のギャップがつかみどころのなさを生み出しているが、周囲をよく見ていてさらりと気配りをする。主演映画「モヒカン故郷に帰る」(監督沖田修一、4月9日全国公開)で恋人を演じた前田敦子(24)は、クランクイン時に松田から「夫婦になる役だから仲良くしよう」と声を掛けられたことで「隣にいやすくなった」と明かしていた。

 「独自の勢いを持っている女性の役だったけど、前田さんが緊張していたので、もうちょっと近いところにいたいなと思って。それからは前田さんも楽しんでいる感じがして、僕もリラックスさせてもらった」と振り返る。一方で「それを言ったのをあんまり覚えてなくて、恥ずかしい」と照れ笑い。別の作品では、共演した子役がずっと一緒に遊んでくれる松田にすっかり懐いてしまったといい、自然と相手の居心地をよくさせる。

 モヒカン頭がトレードマークの売れないデスメタルバンドのボーカル役。ライブシーンの迫力や熱気はプロさながらで「デビューしようかな」と自信の笑み。“デスボイス”と呼ばれる独特の発声も難なくこなし「練習は車の中でデモテープを聴きながら歌ったくらい。たぶんポテンシャルが高いんだな、俺。わりとできる男なんだと再確認しました」。淡々とした口調で言ってのけて、周囲を和ませる。天然か、気遣いか――。どちらにしても、愛される人柄であることは間違いない。

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