被災地から失望の声「残念でならない」広島市長「大変驚いている」

[ 2014年2月5日 11:46 ]

佐村河内氏 別人が作曲

 別人による作曲が明らかになった佐村河内守さん(50)の出身地・広島市や、楽曲にゆかりのある東日本大震災の被災地からは5日、「残念でならない」などと失望の声が漏れた。

 広島交響楽団が昨年12月、代表作の「交響曲第1番 HIROSHIMA」などを演奏した際は、佐村河内さんも来場。同楽団事務局長の井形健児さん(48)が「精いっぱい演奏します」と声を掛けると、「よろしくお願いします」と応じたという。

 井形さんは「広島市出身の作曲家が世間に出て、とても明るい話題だったのに」とショックを隠せない様子。佐村河内さんは、市民に夢や希望を与えた人に贈られる「広島市民賞」を2008年に受賞。市の担当者は「事実が確認できれば取り消しもありうる」と話した。

 松井一実広島市長は「思いもよらないことで、大変驚いている。残念に思う」とのコメントを出した。

 佐村河内さんは東日本大震災後、被災地をたびたび訪れて被災者と交流し、犠牲者にささげる曲を作ったと話していた。曲は昨年3月、宮城県石巻市の市立湊小で被災者や児童ら約200人を前に初めて披露された。

 湊小の教職員は「素晴らしい演奏だったが、別人の作曲だったとすれば残念という言葉に尽きる。子どもたちの心が傷つかないようケアしていきたい」と言葉少なだった。

 津波で被災した石巻市の男性(71)は「残念でならない。被災地への気持ちだけは本物だったと信じたい」と話した。

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