高良健吾　観客無視！？の演技で初の主演男優賞

＜ブルーリボン賞＞主演男優賞の高良健吾（左）は沖田修一監督と笑顔

第５６回ブルーリボン賞　主演男優賞

　東京映画記者会（スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ７紙の映画記者で構成）が選ぶ第５６回ブルーリボン賞（１３年度）の各賞が２２日、決定した。主演男優賞は「横道世之介」の高良健吾（２６）が初受賞。

　高良は「横道世之介」で主演男優賞を受賞。８０年代の大学生の青春を描いた物語で、お人よしで真っすぐな世之介を演じた。

　自然な存在感を大切にしている。「カメラ手前で終わる芝居を目標にした。目の前の役者にだけ届けば良い。どこかでお客さんを無視していたかも」と苦笑い。「立ち止まる場面で、歩数を数えて歩く自分がイヤでした。世之介は数えて止まらないでしょ？」。画面に映らなくても、見えるものがあると信じている。理想の役者像を「素人でいたい。毎日初めてな感じがいい。その場に普通にいたい」と語った。そんな演技が、ひょうひょうとして、つかみどころのない世之介にリアリティーを与えた。

　世之介と同じ九州出身。転校を繰り返す少年時代だった。高校在学中の０５年にドラマ「ごくせん」でデビュー。「今でも芝居前に手が震える。転校して初めて新しい教室に入る時と同じ。不安もあるけど、期待している自分がいるんです」と目を輝かせた。