手こぎボートで単独航海 英女性、銚子からアラスカ

[ 2013年9月25日 09:52 ]

 千葉県銚子市を出発して手こぎボートで太平洋を単独航海していた冒険家の英女性サラ・アウテンさん(28)が23日、約150日かけ約6900キロ離れた米アラスカ州のアダク島に到着した。24日のAP通信によると、女性がこの区間の単独航海に成功したのは初めて。

 アウテンさんは支援者たちとシャンパンで無事到着を祝い、「疲れ果てたが、人生で最も情熱的で思い出に残る時間を過ごした」と喜んだ。

 アウテンさんは、英国から自転車やカヤックを使って世界を巡る途中。4月27日にカナダを目指して銚子を出発した。

 ボートは全長約7メートルの「ハッピーソックス号」。レトルト食品や缶詰のほか、大量のチョコレートも積み込んだ。ボートは太陽光パネルや衛星利用測位システム(GPS)を備え、アウテンさんはブログで航海の様子を報告しながら進んだ。

 ボートはたびたび転覆したほか、貨物船と衝突しそうになったり、疲労で幻覚症状に悩まされたりした。一方で、英オックスフォード大で生物学を学んだアウテンさんは、アホウドリやクジラの観察を楽しんだという。

 悪天候のためカナダへの航海は断念。23日、アダク島まで数百メートルの海域で強風によりボートが岩礁と接触しそうになり、最後は支援者らが船でボートをえい航した。

 アウテンさんは昨年5月にもカナダを目指して銚子から出発したが、同6月に悪天候のため宮城県沖で遭難し、宮城海上保安部に救助された。(共同)

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2013年9月25日のニュース