巨人・中田 平成生まれ初の史上11人目“200人斬り” 通算300本塁打に王手も「通過点です」

[ 2023年7月12日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―0広島 ( 2023年7月11日    東京D )

<巨・広>2回、ソロを放つ中田翔(撮影・藤山 由理)
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 巨人・中田翔内野手(34)が11日、広島戦の2回に床田寛樹投手(28)から左翼席へ決勝の先制11号ソロ。本塁打した投手は通算200人目となり、平成生まれでは初めて、史上11人目となる“200人斬り”を達成した。快挙を祝福するかのように、愛弟子の秋広優人内野手(20)も6号ソロ。今季2度目のアベック弾でチームは快勝し、3位・広島に0・5ゲーム差と迫った。

 熟練の技だった。2回先頭。中田翔が床田の146キロ内角直球をコンパクトに振り抜いた。左翼席に白球が突き刺さる。「積極性を出して、厳しい球を打てたのは、凄く自信になります」。先制の11号ソロは床田から初めての一発となり、200人斬りを達成。通算300本塁打にも王手をかけたが、殊勝に言葉をつないだ。

 「300本が歴代トップであれば、意識するかもしれないですが…。たくさん凄い先輩方がいますし、通過点です」

 愛弟子とのアベック弾は格別だ。3回には、公私共に可愛がる秋広が6号ソロ。「自主トレを一緒にやっているのでちょっと違う感情が入る」とベンチでも笑顔がはじけた。2人は前日も食事を共にし、遠征時の移動も一緒だ。秋広がプロ1号を放った4月29日広島戦では、自身がサヨナラ弾で花を添えており、アベック弾は2戦2勝。原監督も「仲が良かろうが悪かろうが、打ってくれるなら」と冗談交じりで称えた。

 今年4月で34歳になった。「体が元気なら10年、20年やりたいけれど、そんなわけにもいかない」と自身のキャリアが終盤にさしかかっていることを自覚する。20歳の秋広の台頭に続き、7日にはドラフト1位の18歳・浅野が昇格。「彼らはこれからの巨人を背負う選手」と父親のようなまなざしを送る。自身の若手時代を「稲葉さん、金子誠さん、小谷野さん、身近にいろんなことを教えてくれた先輩がいた。自分も少しでもあの子らの引き出しを増やしてあげられれば」と回想。かつてヤンチャだった男も、今度は指南役として次世代を気に掛ける。

 右太腿裏の肉離れから復帰後は全力疾走もできず、6月は20試合で打率・206、1本塁打。一転、7月は打率・278、2本塁打と状態も上がってきた。12日も勝てば6月24日以来の3位浮上。だが、中田翔の視線は、その先にある。(花里 雄太)

 ≪1号は10年 ロッテ・大嶺から≫中田翔(巨)が床田(広)から初本塁打。これで本塁打を打った投手は通算200人となった。10年に大嶺(ロ)から第1号を放って以来、日本ハムで170人、巨人で30人から初本塁打を記録しての達成となった。200人以上からの本塁打は260人の中村(西)を筆頭に11人目。通算299本での達成は前記中村の343本を抜く最少本数だ。なお、中田翔は平成生まれ初の300本塁打にあと1本となった。

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