鈴木啓示氏 輝2発はいずれも来た球に軸回転で反応 元阪急・長池を思い出す

[ 2023年5月15日 07:30 ]

セ・リーグ   阪神15―7DeNA ( 2023年5月14日    甲子園 )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】投手目線で見ても、この日の阪神・佐藤輝には甘さがなかった。投手は常に打者の反応をうかがって、勝負のタイミングを計っている。何とか際どいところを攻めて打ち取ることを狙うのだが、バランス良く構えた佐藤輝にはボールが実によく見えていた。微妙なコースに対し、振り返って審判のジャッジを気にするそぶりもなかった。

 初回は追い込まれてから3球ボールを見極め、スライダーを3ラン。3回の第2打席もフルカウントから四球を選ぶと、4回は初球直球をグランドスラム。狙い球にもスイングにも迷いはなかった。状態のいい証拠だ。

 上体で打ちにいかずに、来た球に軸の回転で反応した上での2本塁打、7打点。現役時代、どんなに揺さぶろうとしても動じなかった阪急の主砲・長池を思い出した。大事なのはこの状態をいかに持続できるか。インハイを攻めて、踏み込ませないような攻めが続くはず。絶好調というのは崩れるときも早い。佐藤輝も打撃の難しさはこれまでの経験から分かっているはず。せっかくつかんだ心と体のバランスを忘れないでほしい。(スポニチ本紙評論家)

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