阪神・佐藤輝 単独首位導いた“孝行弾”3ラン&満弾 感謝の7打点「お母さん、いつもありがとう」

[ 2023年5月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神15―7DeNA ( 2023年5月14日    甲子園 )

<神・D>4回、佐藤輝は満塁本塁打を放つ (撮影・後藤 大輝)
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 “孝行弾”で4月19日以来の単独首位だ!阪神は14日、DeNA戦で今季初の先発全員安打を記録するなど、今季チーム最多21安打15得点で大勝。4連勝で貯金を今季最多7に伸ばし、2年ぶりにリーグ最速で20勝に到達した。初回に佐藤輝明内野手(24)が通算50号に到達する6号3ランで先制すると、4回には1年目の21年5月2日広島戦以来、2年ぶりのグランドスラム。「母の日」に自身初の1試合7打点を記録し、観戦に訪れていた母・晶子さんへの感謝を、最高の形で表した。

 感謝の思いを爆発させた。今季2度目の1試合2発で初の1試合7打点。「母の日」にこれ以上ない勇姿を届けた佐藤輝が、聖地のお立ち台で声を張り上げた。

 「お母さん、いつもありがとうございます。これからも頑張ります!」

 初回から主役はこの男だった。2死一、二塁で平良に2球で追い込まれるも、フルカウントまで粘って7球目のスライダーを一閃(いっせん)。自己最高の高角度となる34度の弾道で右翼席に先制3ランを放ち、3年目で通算50号に到達した。「通算50号?もっともっと積み上げていきたい」。通算303試合目での50本到達は、生え抜きでは別当薫の208試合、田淵幸一の241試合に次いで3番目の速さ。しかも、この日はこれだけでは終わらなかった。

 「しっかり速い球に合わせて1球で打てた。(今年)一番いい感触だった」

 4回2死満塁からの第3打席には三嶋の初球146キロ直球を完璧に仕留めた。右中間へ圧巻の打球を放った直後に“確信歩き”した大砲は、本塁生還を果たすと観客席へ両手を掲げた。豪快弾をささげたい最愛の人が、現地で観戦していた。

 「(両手を掲げたのは)家族が来ていたので…ってことです」
 いつも温かく見守ってくれる母・晶子さんへの思いが、試合後にもあふれ出た。「いつも応援してくれるし、一番の理解者だと思う。感謝しています。母の日に、見に来てくれている時に打てて良かった」。昨年5月8日の「母の日」は中日を相手に敵地で2安打。また過去の「母の日」には花や料理本を贈り、そして毎年感謝の言葉を伝えていた。そんな愛息からの豪快な“プレゼント”を、晶子さんも「最高の母の日のプレゼントです。家族みんな楽しませてもらっています」と目に焼き付けた。

 5月は早くも2度目の3試合連続打点で22打点目。前日13日時点での11位タイから8人を抜いて一気にリーグトップタイに浮上した。本塁打もリーグ2位タイ。月間4本塁打と量産態勢に入った。「1戦目のヒーローインタビューで“3連勝します”と言ったことができたので、うれしい」。頼れる背番号8がチーム、そして家族へ有言実行の男ぶりを示した。(阪井 日向)

 ○…佐藤輝(神)が初回、平良から6号3ラン。プロ通算50号で3年目、303試合目の到達は、阪神生え抜き選手では49年別当薫の2年目208試合、71年田淵幸一の3年目241試合に続く3番目のスピード。ちなみに岡田監督はプロ3年目の82年、320試合目で到達している。

 ○…4回には三嶋から自身2年ぶり2本目の7号満塁弾を放ち、自己最多のゲーム7打点。阪神選手では18年9月16日DeNA戦で大山が7打点して以来5年ぶり。また3ラン以上をゲーム2本は、02年4月25日広島戦のアリアス(3ラン×2、ソロ)以来。日本人では97年4月8日横浜戦の桧山進次郎(3ラン、満塁)以来26年ぶりとなった。

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