ロッテ・アジャ 5年ぶり2個目盗塁「本塁打よりうれしい」 意外な母の日プレ「連絡してみようかな」

[ 2023年5月15日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5ー2日本ハム ( 2023年5月14日    エスコンF )

<日・ロ>3回、二盗を決める井上(撮影・高橋 茂夫)
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 ロッテ・吉井監督がサプライズ盗塁で、「新庄野球」のお株を奪った。2点差を追いついた3回、なおも2死一、三塁。5番・茶谷の2球目に、体重115キロを誇る一塁走者・井上が二盗を試みた。捕手・伏見は「頭の中は整理できていたが、投げた球が悪かった」としたが、動揺がミスを誘う。二塁への悪送球となり、三塁から藤原が決勝のホームを踏んだ。

 「マジでバッテリーとこんな勝負をしたのは初めて。本塁打よりうれしい。自分がタイムリーを打ったテンションで喜んじゃった」

 18年4月28日の日本ハム戦以来5年ぶり2度目の盗塁を決めた井上は試合後、高笑いが止まらなかった。NPBの日本選手ではソフトバンク・リチャードに次ぐ重量級でも、実は50メートル走の最速は入団時、6秒6だった。もちろん、指揮官もしてやったりだ。
 「あれはサイン。ギャンブルスタートの盗塁で、捕手も三塁を見てから投げるだろうと、金子コーチがアドバイスしてくれて。うまくはまってくれた」

 先発は来日2年目の左腕・メネズ。作戦の発案者は昨年、野手総合兼打撃コーチとして日本ハムに在籍していた金子戦略コーチだった。けん制はうまいが、クイックモーションに難があることを熟知。試合前までリーグ最少の11盗塁だったが、1番・友杉、2番・藤原、9番・和田の俊足トリオをスタメン起用し、攻略を図った。

 3回の逆転劇は和田のセーフティーバントから。和田、友杉が次々に二盗を成功させ、井上まで走った。計5盗塁は今季の両リーグ最多。「ちょっと親に連絡してみようかな。ええもん見られたって言ってくれるかも」。母の日。アジャは最後まで笑顔だった。
(大内 辰祐)

 ▽井上のプロ初盗塁 18年4月28日の日本ハム戦(ZOZOマリン)に「4番・一塁」で先発出場。初回に有原の初球を捉え同点打を放つと、続く鈴木が空振り三振に倒れた際、114キロの巨体を揺らして5年目で自身初の二盗を決めた。この日は4打数2安打1打点。試合は2―5で敗れたが「うれしいです。月1ペースで走れるように頑張ります」と笑顔を見せていた。

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