巨人“8回の男”に期待!菊地が受け継いだ村田兆治さんのマサカリ魂「ずっと追いかけて」

[ 2023年5月15日 08:15 ]

2021年の「HEROs AWARD 2021」の表彰式で村田兆治さん(右)と写真に納まる菊地(本人提供)
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 5位に沈む巨人は「魔の8回」が大きな課題となっている。5月は11試合中、7試合で失点。絶対的守護神の大勢につなぐセットアッパー不在がチームに暗い影を落としている。

 12、13日の広島戦ではその大勢も2試合連続で救援に失敗したが、13日の広島戦は延長12回に2点差をはね返しての逆転サヨナラ勝ち。6番手で12回1死満塁から登板した菊地は堂林に左前適時打を浴びたものの、後続を断ち、うれしいプロ初勝利が転がり込んだ。「まだチームに貢献できているとは言えないですけど、あそこで粘れたので野手のおかげで初勝利になったのかなと思います」。謙虚に話した大卒2年目の23歳。佐渡島出身選手としても初白星となった。

 菊地には追いかけるべき、偉大な背中がある。昨秋、自宅の火災に巻き込まれ72歳で死去した村田兆治さんだ。菊地は中3時に佐渡市の選抜メンバーとして、村田さんのライフワークだった離島甲子園に出場。その中から初のプロ入りとなり、村田さんから目をかけてもらっていた。プロ入り直前に、マサカリ投法の代名詞だったフォークの握りを伝授され、昨年6月7日の西武戦でプロ初黒星を喫すると電話で「負けることは悔しい。しっかり練習をして周りを見返せるようにな」と鼓舞された。

 生前の村田さんは菊地の飛躍を誰よりも喜び、より一層、離島甲子園の活動に力を入れていこうと考えていた直後の悲劇だった。「自分に夢を与えてくれた存在ですし、この先もずっと村田兆治さんを追いかけていくことになる。まだまだ技術がないので、そこもしっかりと試合を通していく中で、レベルアップさせていきたい」と菊地。制球やフィールディングなどに課題を残すが、1メートル86の恵まれた体格から投じる最速154キロの直球は威力抜群。いつの日か「8回の男」に収まる日を村田さんも草葉の陰から見守っているはずだ。(花里 雄太)

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