ヤクルト・村上が“ランニングV弾” 確信歩きも風に押し戻されダッシュ…記録は二塁打と右翼失策

[ 2023年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3-2広島 ( 2023年4月2日    神宮 )

<ヤ・広>8回、二塁打を放った村上は守備がもたつく間に三塁を蹴って勝ち越しの生還(撮影・沢田 明徳)
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 驚き、笑いを浮かべながら本塁を駆け抜けた。爆笑の一塁ベンチに戻ったヤクルト・村上が両手を広げる。ヤクルトファンのタレント、出川哲朗ばりの「WHY?」ポーズを連発。予想外の決勝“ランニング弾”だった。

 「風で戻された。行ったと思ってゆっくり走っていたので…次からちゃんと走ります」

 頭をかいて反省したプレーは同点の8回先頭。フルカウントから松本の高め直球を捉えた。打球を見上げゆっくりと確信歩き。しかし、右翼から左翼方向に吹く強風が大飛球を押し戻した。右翼手の野間は捕れずフェンスに直撃。さらにボールも握りそこね、足はふらつき、処理にもたついた挙げ句の悪送球で、無人のグラウンドをボールが転々。その間にギアを上げ、一気にホームインした。

 記録は二塁打と右翼の失策。ランニング本塁打は小学生以来ないという4番の一打を喜んだのが、客席で声援を送ったバレーボール男子日本代表のエース、西田有志だ。19年にテレビ番組をきっかけに知り合い、以降は電話などで親交を深めていた西田と試合前に初対面した。ともに東京五輪に出場し、村上はWBCで優勝に貢献。9月にW杯を控える同い年に「W杯頑張って」とエールを送った。

 他競技だが、世界トップレベルを目指す友に刺激を受けた主砲の活躍で球団初となる2年連続の開幕3連勝。「いいスタートを切れた。でも自分の中ではまだまだ打てる部分がたくさんある」。次は“笑撃アーチ”ではなく文句なしの衝撃アーチを叩き込む。(青森 正宣)

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