阪神・小幡の“爆肩”が生んだ超絶中継プレー　ワンバウンド＆三塁側に“それた”のも計算のうち

セ・リーグ   阪神6－2DeNA （ 2023年4月2日    京セラD ）

好守でピンチを救った小幡（右）を抱き寄せるK、ケラー（撮影・大森　寛明）
Photo By スポニチ

　阪神・小幡が“爆肩”で文字通り虎を救った。1点を返された7回、なお2死一、三塁で宮崎の一打が左中間フェンスに直撃。遊撃の定位置から深く追ったところで待ちながら、本塁送球までの流れを瞬時に思い描いた。

　近本からの送球をつなぎ、約40メートルの距離を強く鋭いワンバウンドで梅野のミットへ。少し三塁側へそれたことも、捕手がタッチしやすく、計算のうちだ。一塁走者・佐野の生還を寸前で阻んだ。

　「中野さんの“ホーム！ホーム！”という声も聞こえていました。それで一発で（間髪入れず）いけた部分もある」

　春季キャンプから徹底して練習を積んできた中継プレー。距離を詰めて外野手からの球を早くもらい、本塁まで延びた分は武器とする強肩で補う。体が覚えていた。加えて、球場特性を頭に入れた好判断も光る。

　「京セラはバウンドにすれば、スゴく加速してくれる。計算してうまく投げることができた。（ノーバウンドで）無理することなく、人工芝を生かして投げられた」

　仮に生還を許していれば1点差で、なおも続く窮地で3番・大田を迎える局面。就任当初から肩の強さを評価してきた岡田監督にも「あれ、本当に大きかったね。打順的にもね」と手放しで称賛された。

　高卒5年目で初の開幕遊撃で迎えた3連戦。打率・364を残すなど攻守で躍動した。「開幕戦は初めてで、スゴく緊張したところはあったけど、それ以降は落ち着いてプレーできている。引き続き継続して、もっともっと良くなるように」。不動のレギュラーを目指し、慢心はない。（阪井　日向）