DeNA 20年サイ・ヤング賞右腕、バウアー獲得を発表 過去に球団と縁も

[ 2023年3月14日 09:00 ]

DeNAが獲得することが分かったバウアー(AP)
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 DeNAは14日、20年にサイ・ヤング賞を獲得した前ドジャースのトレバー・バウアー投手(32)と今季の契約を結んだことを発表した。契約は単年で、年俸は出来高払いを含め約4億円(推定)。背番号は「96」に決定した。

 21年にドメスティックバイオレンス(DV)の禁止規定違反で出場停止処分を受け、今年1月に自由契約となったが、諸問題をクリア。親日家でもある超大物メジャーリーガーが三浦DeNAに電撃加入することになった。同投手は球団を通じ「今シーズン、ベイスターズでプレーができることになり、非常に興奮しています。日本プロ野球界でプレーをすることは私の夢であり、その夢をファンの皆さんの前でお見せすることができる球団として、ベイスターズ以上のチームはないと思っています。素晴らしいチームの一員となり、一緒に優勝を目指すことができる機会をいただいて、とてもうれしく感じています。選手、そしてファンの皆さんに会いたい気持ちで既に待ち遠しいです。横浜の街で会えることを楽しみにしています」とコメントした。

 25年ぶりの日本一を目指すDeNAの先発陣に強力な一枚が加わる。メジャー通算83勝のバウアー。17年には自己最多の17勝(9敗)を挙げ、20年はコロナ下の短縮シーズンながらリーグ1位の防御率1・73で初のサイ・ヤング賞に輝いた。

 なぜ、メジャーを代表する投手を獲得できたのか。バウアーはドジャース時代の21年に、知人女性に対するDVの禁止規定違反が発覚。22年にMLBから2シーズン分に相当する324試合の出場停止処分(その後194試合に軽減)を受け、今年1月に同球団から契約を解除された。DeNAは米国内で移籍先が見つからず、無所属でトレーニングを続けていたバウアーの動向に注目していた。

 入団交渉するに当たり、MLBに現状を確認するなど徹底的な精査を実施。バウアーの代理人に加え、本人とも面接を行った上で「獲得に問題なし」のゴーサインを出した。

 以前から縁もあった。エンゼルス・大谷らも導入する加重ボールなど最先端機器を使ったトレーニングをいち早く取り入れたのがバウアー。研究熱心でかねて日本の練習環境にも興味を持っていた右腕は、19年12月に神奈川県横須賀市内の2軍施設「DOCK」を訪問し、今永、京山らとキャッチボールを行い、交流を深めた。

 最速159キロの速球と多彩な変化球を武器とし、21年の年俸は3133万ドル(約41億9800万円)だったメジャーの超大物。21年6月を最後に実戦マウンドから遠ざかっていることは不安材料だが、本来の実力を発揮できれば大きな戦力となるのは間違いない。

 ◇トレバー・バウアー 1991年1月17日生まれ、米カリフォルニア州出身の32歳。カリフォルニア大ロサンゼルス校から11年ドラフト1巡目(全体3番目)でダイヤモンドバックス入り。12年オフにインディアンスに移籍し、15年から5年連続2桁勝利。レッズ時代の20年にサイ・ヤング賞受賞。21年にドジャースに移籍も、今年1月に契約解除。メジャー通算83勝69敗1セーブ、防御率3・79。1メートル85、93キロ。右投げ右打ち。

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