23日開幕!「薩摩おいどんカップ」 元日本ハムのパナソニック・金森新監督「勝つことに執着」

[ 2023年2月22日 11:00 ]

パナソニック・金森敬之監督
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 日本ハム、ロッテで投手として活躍した金森敬之氏(37)が今季、社会人野球の強豪・パナソニックの監督に就任した。金森監督は17年にロッテを退団、18年からパナソニックに所属し19年からコーチを務めていた。チームは宮崎県内でのキャンプを終え、23日から「薩摩おいどんカップ」(鹿児島県内各地)に参加する。2年ぶりの都市対抗出場、初優勝を目標にチームづくりに奮闘する若き監督に迫った。

 春季キャンプ真っ只中、新指揮官の朝は早い。午前5時30分に起床し入浴、頭と体をスイッチをONにする。朝食を取り7時ごろにはグラウンドイン。アーリーワーク、全体練習、個人練習…。日によっては夜間練習まで付き合う。文字通り朝から晩まで野球漬けだ。グラウンドにいる時間は選手時代よりも長くなったが「投手コーチとは違って全体を見ないといけないが、野手の練習に付き合うのは新鮮。毎日が楽しいです」と充実の日々を送っている。

 監督とはいえまだ37歳。プロで活躍中の宮西(日)、大島(中)らは同学年で体は十分に動く。「ネットの後ろから見ているよりも自分が実際に投げた方が打者の状態が分かる。投手目線からのアドバイスもできる」と打撃投手も買って出ている。監督就任の打診は昨年11月だった。「最初はびっくりしました。ホンマですか?と聞き返しましたから。でも、すぐに任されてうれしいという気持ちになりました。不安もありましたが、頑張らないといけないなと。即答でお受けしました」。19年にコーチとなり指導者歴は5年目だが監督は初体験。苦戦しているのがサインだ。紅白戦で練習し、20日からはオープン戦も始まったが「出すタイミングなど意外と難しい。違うサインを出してしまって、すぐに取り消しのサインを出すこともあります。審判に交代を告げる練習もしています」と苦笑い。スムーズな伝達にはもう少し時間がかかりそうだ。

 昨年、チームは7年ぶりに都市対抗本戦出場を逃し、雪辱を誓った秋の日本選手権も2回戦で姿を消した。消化不良のシーズンだっただけに「改革」をテーマに巻き返しを誓う。「都市対抗は本戦に出場できるものだと思っていました。チームにもそんな空気があったように思います」。6年連続で出場していたことによる慢心のようなものがチーム全体にあった。「勝つことに執着して、全員で勝ち切りたい。勝つための時間の使い方、準備の大切さを常に意識して動いてもらっている」。即戦力の新人も加わり競争は激しくなった。早朝から夜遅くまで汗を流す選手の目の色は間違いなく変わってきている。

 23日に開幕する「薩摩おいどんカップ」では慶大や亜大など大学との対戦もある。「堀井監督(慶大)、生田監督(亜大)は凄い実績を持っている方。こちらは社会人チームでも監督は1年生。学ぶところはたくさんあるので、しっかりと勉強させてもらいたい。監督も日々勉強です」。勝つために監督がチームの足を引っ張る訳にはいかない。若き指揮官は選手以上に目をギラギラさせている。 
 
 ◇金森 敬之(かなもり・たかゆき) 1985年(昭60)7月24日生まれ。東海大菅生から03年ドラフト6巡目で日本ハム入り。13年に四国IL・愛媛、14~17年はロッテでプレーした。NPB通算87試合6勝3敗、防御率4・92。18年にパナソニックに移籍、19年からコーチ、今季監督に就任した。

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