日本ハム・伏見「移籍1号」 新庄監督の指導を生かした右方向への力強い一発

[ 2023年2月22日 06:00 ]

練習試合   日本ハム9―6中日(特別ルール) ( 2023年2月21日    北谷 )

<中・日>4回 2死三塁 右越えに2点本塁打を放つ伏見(撮影・成瀬 徹)
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 日本ハム・伏見寅威捕手(32)が21日の中日との練習試合(北谷)で、オリックスからFA移籍してきて最初の本塁打を放った。2―0の4回に2ラン。新庄剛志監督(50)の指導を生かした右方向への一発だった。頼もしい新戦力を含めて3本塁打が出ての勝利。練習試合は1分けを挟んで4連勝、通算5勝1敗1分けと白星を重ねている。

  中日のキャンプ地・北谷球場には海に向かって、打者有利の追い風が吹いていた。両軍に5本塁打が飛び出した打撃戦を制した日本ハム。3回に浅間が練習試合2本目のアーチをかければ、7回は4番・野村が今春初の一発だ。新庄監督は「ホームから外野への風、それを利用して打った考えがあるのならば素晴らしい」と称えた。

 中でも、伏見の“移籍1号”に指揮官はうれしそうだ。キャンプインして間もない頃、こんなアドバイスを送っていた。「右方向に打球を飛ばす際、右肩がちょっと下がっている。立てて、右方向に引っ張るイメージで振りなさい」。4回1死三塁で出た2ランには、右打者が引っ張って左翼席に運んだかのような力強さがあった。

 伏見も納得の表情だった。「ちょっと右肩が落ちる癖があるので、姿勢を正したら逆方向に押し込めるようになると教えていただいた。練習で意識して、実戦でもできて良かった」。自身の打撃の状態を上げることより、新加入の捕手としてまずは投手の情報をインプットすることを一番の目的としているキャンプだが、結果が出れば自然と笑顔になる。

 守っても初コンビの先発・鈴木と3回まで無失点。手の内に入れ、スライダーが得意な下手投げ右腕に「本来スライダーを投げるカウントでも、違う球種で打ち取っていければいいね」と今後の応用編を授けた。鈴木は「凄い投げやすかった」と話し、これまでブルペンを含めて投球を受けてもらった他の投手からも同様の言葉が相次ぐ。これに伏見は「気遣いができる後輩が多いです」と返した。

 攻守に渡って存在感を見せ、チームの4連勝に貢献した。プロ11年目。新天地でもキャンプの練習自体に違いを感じることは少ないが、「監督が練習試合から勝敗にこだわってやると強く言っていて、選手もそのつもりでやっているのは違いがある」と口にした。「これからオープン戦が始まる。勝ちにこだわってやっていく」。パ・リーグ連覇チームから来た道産子捕手が、低迷する故郷の球団を力強く変えていく。

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2023年2月22日のニュース