日本ハム・矢沢 新庄監督&稲葉GMがガン見 ブルペン後に代打出場で初の“二刀流調整”

[ 2023年2月22日 06:00 ]

練習試合   日本ハム9―6中日(特別ルール) ( 2023年2月21日    北谷 )

<中・日>試合前にブルペンで投げ込む矢沢(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハム・矢沢(日体大)の視線の先には2人のレジェンドがいた。右打席に新庄監督で左打席には稲葉篤紀GM。異様な光景にも二刀流でのスター選手を目指すドラフト1位ルーキーは臆することなく左腕を振る。中日との練習試合前にブルペン入りし、変化球を交え約30球を投じた。

 「両打席に立ってもらうことは、なかなかない。凄くラインが見えやすくて僕的には投げやすかったです」

 まさかの“乱入”だった。投球練習の途中で稲葉GMが左打席に立つと後方で見ていた新庄監督も右打席へ。06年に日本一に貢献した両者が同時に構えた。並の新人なら足が震える場面でも「(当たりそうになったら)よけてくれるだろう」。死球を怖がるどころか新たな練習法のヒントを得ていた。通常は矢沢から見て右打者なら左に、左打者なら右にスペースが生まれるが両打席に打者が立つことで「意識が真ん中に行く」という。16日の実戦形式の打撃練習に登板した際は25球中13球がボールだったが、この日は制球もまとまり「いい感じで投げられた」と感謝する。

 練習試合は7回1死で代打で登場。遊ゴロに倒れたが、これが初の“二刀流調整”となった。これまでは1クールのうち1日を投手、3日を野手と完全にメニューを分けて取り組んできたが「大学の時もあった。僕の中では“こういう日もあるよ”という感じ」と涼しい顔で振り返った。

 ブルペンで打席に立った新庄監督に「投手一本で行こうか!」と言われたが、野手として前日までの実戦で6打数5安打と結果を出していることを伝えると「迷わせんな!」と返ってきた。それは矢沢にとって最高の褒め言葉だ。23日のロッテとの練習試合(名護)で初の実戦登板に臨む矢沢は「どっちもできる中で選んでもらえれば」と見据える。その可能性は無限だ。(清藤 駿太)

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