ソフトB・増田 B組から一転A組昇格の吉報 「熱男塾」で追い込んだ成果見せるチャンス!

[ 2023年1月31日 08:00 ]

巨人・松田(奥)と自主トレを行いノックを受ける増田(撮影・岡田 丈靖)
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 超激戦区の外野で生き残る――。毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第13回は増田珠内野手(23)。今春宮崎キャンプはB組(2軍)だったが発表直後に外野枠でA組(1軍)に昇格した。昨夏の主力不在時に奮闘した「筑後ホークス」の代表格だった通称“マス男”は、今オフ初めて巨人・松田宣浩内野手(39)率いる“熱男塾”へ入門。名門・横浜の先輩である近藤健介外野手(29)も加入するなど刺激は多い。

 当初のメンバー発表から2日が過ぎた26日。思わぬ形で増田にアピールチャンスが訪れた。24日の監督・コーチ会議直後の時点はB組スタートだった。対応した藤本監督は「野村(大)、増田、海野はA(組)に呼んであげたかった。1軍でやってくれたんで」と悩んだ末の決断を明かしていた。ただ、佐藤直の手術による離脱で外野手としてA組昇格が転がり込んだ。

 高卒6年目を迎え、初めて松田の門を叩いた。「逃げ道がない、追い込まれる練習量でメンタル強化もできた。外野がメインになると思う。自分の居場所をつくれるようにキャンプからアピールしたい。今年は1年間、1軍でプレーできるように頑張っていきたい」

 これまでのオフは内川聖一氏のもとで主に打撃技術を吸収してきた。内川氏は昨季、ヤクルトでNPB引退。以前から気になっていた“熱男”と“マス男”の親近感もあり「実はずっと行きたかった」と迷わず、松田に依頼した。

 昨年7月17日のロッテ戦でのプロ初本塁打に始まり、9月4日の西武戦まで約2カ月間の1軍生活。15試合で打率・256、6打点だった。特にコロナ禍と負傷で主力の離脱が相次いだ夏の窮地をバットで救った。8月23日の楽天戦ではプロ初の猛打賞。一塁、右翼、左翼、代打として奮闘。野村大、谷川原と小柄な若鷹の活躍は「筑後ホークス」と指揮官から愛ある“いじり”を受けた。

 「去年、ある程度通用する気持ちはできた。あとは打撃でもっと力強く。1軍の球に振り負けない力を付けるのがテーマでした」。松田のもと下半身を徹底的に鍛え、なおかつ“食トレ”で体重は昨季の82キロから自己最重量88キロに。それでもキレは落ちていない。

 競争激化の中でも、カンフル剤もある。オフに球団は大型補強に成功し、日本ハムからFAで高校の先輩・近藤が加入した。「たくさん、打撃のこと野球のことを聞きたい。高校のときから、少ししゃべっていただける先輩なので」。1軍定着のためなら、外野の手ごわいライバルにも頭を下げる。宮崎で増田の粘りは見ものだ。(井上 満夫)

 ◇増田 珠(ますだ・しゅう)1999年(平11)5月21日生まれ、長崎県出身の23歳。小1からソフトボールを始める。中学時代は長崎リトルシニアに所属し、全国大会3度出場。3年夏にU―15日本代表入り。横浜では1年春からベンチ入りし、高2夏、高3夏の甲子園出場。U―18W杯出場。17年ドラフト3位でソフトバンクに入団した。1メートル79、88キロ。右投げ右打ち。

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