岐阜から東京へ 慣れない生活の疲れを吹き飛ばしてくれた選手との再会

[ 2023年1月31日 07:30 ]

大垣日大(岐阜)出身の日大・林拓馬
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 岐阜で生まれ育ち、2カ月前まで地元の地方紙で働いていた。転職し、1月から本格的にスポニチで野球記者としての生活がスタート。東京での生活はまず、毎日の電車移動で人の多さに驚いた。岐阜では主に車移動。何本もある路線の中から乗りたい電車を見つけ、聞き慣れない駅で降り、目的のグラウンドを目指す。当初は取材前に、この移動だけで気疲れすることもしばしばあった。

 だが、うれしい再会がこの疲れを吹き飛ばしてくれた。岐阜で記者をしていた時、3年間の高校野球生活を見守った球児との4年ぶりの再会だった。大垣日大(岐阜)出身で日大の外野手・林拓馬(3年)と、記者と同じ長森中出身で、東邦(愛知)を経て早大へ進んだ熊田任洋(3年)。それぞれ1月の今年の初練習でグラウンドに足を運んだ際、覚えていてくれたのか目が合うと笑顔で歩み寄ってくれ、こちらも肩に手をやり「久しぶり」と再会を喜びあった。4年ぶりに会ったが、当時の思い出を語り合っていると、つい敬語で話すのを忘れて岐阜弁が漏れた。

 だが、いざ囲み取材が始まるとそれぞれが「今年はプロへ行くのが目標。そのために春のリーグ戦が勝負だと思っている」と力強い言葉。2人とも高校時代から実力があり、将来を楽しみにしていただけに「プロを目指す」という一言がうれしかった。よく見ると体も高校時代とは比べものにならないくらい大きくなり、取材での受け答えで、はっきりと自分の意思を伝えている姿が頼もしく感じた。

 岐阜にいた時は、高校球児が卒業し、プロや関東、関西の大学へ進むと、その後を追いかけることはなかなか難しかった。高校3年間をみっちり取材できることがやりがいだった反面、その後の野球人生を追いかけられないもどかしさも感じていた。だからこそ、当時を知る選手に今後、再会できるかもしれないと思うと楽しみで仕方がない。

 今は電車移動中、取材先に岐阜にゆかりのある選手がいないかを探すことが日課にもなっている。地元を離れて野球で勝負している彼らの姿を励みに、多くの人に選手の魅力を伝えられればと思いながら、満員電車に揺られる日々だ。(記者コラム・村井 樹)

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2023年1月31日のニュース