ソフトB・王会長 V奪回へ矛より盾 方程式確立が重要「勝っている時は7、8、9回が強かった」

[ 2023年1月31日 05:01 ]

必勝祈願のため筥崎宮を訪れたソフトバンク・王会長(中央)やホークスナイン(撮影・中村 達也)
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 勝ちパターン復活が勝つパターンだ――。ソフトバンクは30日、王貞治球団会長(82)ら選手、コーチ、スタッフ約150人が福岡市の筥崎宮で必勝祈願を行った。球団は3年ぶりのリーグ優勝、日本一の奪回へ、攻守で大型補強に成功。王会長は23年シーズンの戦い方として7、8、9回の確立を最重要ポイントに挙げた。午後には新守護神ロベルト・オスナ投手(27)ら新助っ人4選手が入団会見。31日にA(1軍)、B(2軍)組のメンバーはキャンプ地の宮崎に入る。

 23年は矛より盾が重要だ。勝ち運の神でおなじみのパワースポットで世界に誇る強打者である王会長は攻めではなく、守りの整備をV奪回の肝とみた。

 「勝っている時はだいたい7、8、9(回)が絶対的に強かった。前半に点を取って7回に入った時、リードしていれば勝率がすごい高いわけで。その投手をピシっと整備できれば、かなり勝つ確率は高くなりますね」

 終盤、勝ち試合を落とす展開をなくすのが最優先課題だ。昨季リーグ戦最後の2試合。優勝マジック「1」とした10月1日の西武戦は1―1の延長11回2死一塁、3連投の藤井が山川にサヨナラ被弾。2日のロッテ戦では2―0の6回1死一、二塁で2番手・泉が山口に3ランを浴び、同率で並んだオリックスに優勝を奪われた。

 「残念ながら去年、一昨年、後ろ(の投手)ができていなかった。キャンプから本来の戦いができる体制に持っていけば、23年型の形が浮かび上がってくるんじゃないかな」

 攻守の弱点を確認しつつ、球団は大型補強を敢行。昨季途中からロッテの勝ちパターンを担ったオスナを獲得。藤本監督は真っ先にクローザーだったモイネロを8回、9回にオスナを置く策を掲げた。残すは激戦必至の“7回の男”が確立すれば中盤までのリードを守る、先行逃げ切りホークスが復活する。

 筆頭格は昨季、中継ぎで自己最多の44試合に登板し、評価を上げた松本裕。昨季は故障離脱したが、実績十分の又吉、防御率0・99と抜群の安定感を示した左腕・嘉弥真もひけはとらない。津森、甲斐野や先発候補の笠谷、杉山もアピール次第では抜てきもある。

 この日の境内では藤本監督の興奮気味の決意も響き渡った。「会長も言われるように日本一になるという強い気持ちで、もうやるしかない。日本一になります。まあ、見といてください!」。昨季からの「特別チームアドバイザー」の肩書も兼ねる王会長は大勢、駆けつけたファンの前でこう力強く締めた。

 「ファンに喜んでもらうのが、われわれの一番の仕事。その意味では2年間悔しい思いをしました。3年分、まとめてファンと喜べるように頑張ります」。ただ、常勝軍団の復活だけを、願った。(井上 満夫)

 <歴代勝利の方程式>
 ☆99年(優勝、日本一) 7~8回を支えたのは59試合に登板した右腕の藤井。2年目の篠原は60試合にリリーフし、14勝で最高勝率のタイトルを獲得した。ベテランの吉田が58試合に登板。来日1年目のペドラザが27セーブで王ダイエーの日本一に貢献。
 ☆09年(3位)~10年(優勝) 09年に摂津、ブライアン・ファルケンボーグ、馬原の頭文字を並べた「SBM」が成立。翌年から背番号48の甲藤が加わり「SBM48」の愛称で親しまれた。10年は甲藤は15ホールド、摂津が38ホールド、ファルケンボーグが39ホールド。馬原は32セーブで優勝に貢献。
 ☆14年(優勝、日本一) ルーキーの森がシーズン終盤からセットアッパーとして定着し、20ホールド。44ホールドを挙げた五十嵐、9回は西武から移籍してきたサファテが37セーブで日本一に貢献。
 ☆17年(優勝、日本一) 絶対守護神となったサファテが、プロ野球記録の54セーブを樹立。72試合に投げた岩崎が40ホールド、主に7回だった森は65試合33ホールドだった。ここにシーズン途中に支配下登録されたモイネロが加わった方程式は鉄壁だった。

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2023年1月31日のニュース