聖光学院・小原孝大君は、主将・赤堀君を二人三脚でサポートした「日本一のメンバー外」

[ 2022年8月21日 04:05 ]

第104回全国高校野球選手権第13日・準決勝   聖光学院4―18仙台育英 ( 2022年8月20日    甲子園 )

聖光学院・小原孝大
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 【いっちーの届け夏エール】聖光学院の小原孝大(こうだい)君(3年)は「日本一のメンバー外」としてアルプス席で一緒に戦いました。

 16年夏。幼なじみが聖地のマウンドに立つ姿をアルプス席から見て「かっこいい」と地元で日本一を目指すことを決めました。主将の赤堀颯(はやと)君(3年)は「尊敬している大切な存在」。自主練習ではお互い打撃投手を務めて打ち込むなど二人三脚で歩んできました。

 昨秋の福島大会前、勝利へのプレッシャーを一人で背負っていた赤堀君が泣いていました。「こいつのために戦いたい。日本一の男にしたい」。主将の涙に奮い立ちました。「日本一になるにはメンバーだけでなく控え選手も日本一の人間でいないといけない」。赤堀君がプレーに集中できるように、チームのまとめ役を買って出ました。「とがった石もぶつかって丸くなるように何度もぶつかった」。気持ちが高ぶり、同級生と言い合った時間も自身の成長につながったと言います。

 悲願の優勝は夢となりました。しかし小原君のサポートは赤堀君にとって日本一だったはずです。チームスローガンは“全員主役”。チームを支えたヒーローも輝いた夏でした。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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2022年8月21日のニュース