赤星憲広氏 技術と状況判断が素晴らしい!!阪神・島田のセーフティーバント

[ 2022年8月21日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―1巨人 ( 2022年8月20日    東京D )

赤星憲広氏
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 【赤星憲広 視点】阪神が1点を追加した4回、なお2死一、三塁で島田がセーフティーバントを決めて点差を広げた。<1>投手が左の高木で、三塁側へ転がせばチャンスは高まる<2>前の中野が三塁右へ適時内野安打を放ち、三塁・岡本和が極端に前進守備を敷いていなかった。2つの状況判断ができて、周りがきちんと見えていた。島田の成長を感じたシーンだった。

 さらに技術的に素晴らしいのが、一度テイクバックをしっかり取って打ちにいく姿勢を見せてからバットを寝かせたことだ。投手にも、三塁手にも1歩目を遅らせることができ、成功率は高まる。バントのタイミングが遅れるリスクもあるが、島田はこの一連の動作を自分のものにできている。この日のように三塁線へ転がせれば投手、捕手、三塁手の誰が捕球しても一塁はセーフになる。

 初回は二盗に失敗(今季3度目)したが、リーグ4位の17盗塁で、成功率・850は近本や中野より上。元々スピードがあり、レギュラーで出場を続けるうちに状況判断ができるようになったからこその数字だ。2年連続で巨人に勝ち越せた理由はさまざまあるが、中野、島田、近本の1~3番の機動力もその一つだろう。

 藤浪はもう安心して見ていられる。ストライク先行で投手有利のカウントをつくり、7回無死一塁では前の打席で二塁打されている若林に2球で追い込んでからフルカウントまで粘られても8球目スプリットで一ゴロ。走者をためなかった。偶然に調子が良かったから抑えられた…ではなく、もうこの日くらいの投球ができることがベースになっている。新しい藤浪の姿を見た。(スポニチ本紙評論家)

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2022年8月21日のニュース