ソフトB・和田 日米150勝&杉浦忠超え球団新1762奪三振 41歳ベテランで首位攻防3連勝

[ 2022年6月20日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク4ー1楽天 ( 2022年6月19日    ペイペイD )

<ソ・楽>日米通算150勝を達成し笑顔で記念ボードを掲げるソフトバンク・和田(撮影・岡田 丈靖)
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 首位ソフトバンクの和田毅投手(41)が19日、楽天戦に先発し6回1安打1失点で今季2勝目を挙げ、日米通算150勝を達成した。同時に、通算奪三振を1762に伸ばし、杉浦忠の1756奪三振の球団記録も塗り替えた。プロ16年目で偉大な先輩を抜き、節目の数字に到達したチーム最年長の大ベテランは、あと5勝に迫ったNPB通算150勝を見据えた。チームは首位攻防戦の楽天戦で3連勝し、1・5ゲーム差をつけた。 試合結果

 和田は2つの記念ボードを大事そうに掲げた。まず2回を投げ終えて通算1757奪三振とし、杉浦忠の球団最多記録を更新。試合後には日米通算150勝も達成した。記念Tシャツを着たお立ち台では「ほっとしています。1年目で使ってもらった王会長をはじめ、たくさんの監督、コーチのおかげでここまでの数字を積み上げることができました」と感謝を口にした。

 直球を軸に6回1死まで完全投球。恐るべし41歳だ。この日の最速は146キロ。8三振のうち、7個を直球で奪った。投げ合った早大の後輩、早川も脱帽の投球だった。許した安打は茂木のソロ一発だけだった。「とにかく1イニング、一人でも多くの打者を打ち取ることしか考えていなかった」。6回1失点で1カ月ぶりの2勝目。規定投球回には到達していないが、防御率はリーグ1位のオリックス・山本の1・55より低い驚異の1・51を誇る。

 節目に王手をかけてから3度目の正直だった。「今日は絶対決めてやる」と気合を入れた立ち上がり。初回1死から小深田、浅村を直球で連続三振。杉浦忠の1756三振に並び、2回は島内を144キロ直球で見逃し三振に仕留めて球団新記録。降板までに今季最多タイ8Kで1762奪三振まで伸ばした。

 入団時に選んだ背番号は杉浦忠と同じ「21」。他の選択肢もあったが「六大出身の先輩でもあるし、頭に浮かんだ。杉浦さんのようになりたいという気持ちがあった」と振り返る。「21を背負って抜くことができて本当にうれしく思う」。01年に死去した大先輩も天国から拍手を送ったはずだ。

 この日は父の日。家を出る前には妻と娘から「(自身が)生まれた日の新聞と自分のプリントがラベルに描かれたワインをもらった」。毎年、家族から手紙をもらうなど特別な日だ。「今日は凄くいい日にさせてもらったので、いいお酒になりそう」と祝杯に酔うつもり。左腕自身も父・雅之さんにお酒を贈り続けている。
 楽天との首位攻防戦で3連勝を飾った藤本監督は「投げてくれたところは全部しっかりと投げ切ってくれているけど、今日が一番素晴らしい投球だった」と絶賛した。

 次の目標はNPB通算150勝。あと5勝としたベテランは「レベルアップしたいという気持ちは若い子たちと変わりはない」。進化の歩みは止まらない。(福井 亮太)

 《41歳以上で2勝も球団新》和田(ソ)が今季2勝目を挙げ、日米通算150勝(日本145勝、米国5勝)を達成した。日米両方で勝利を挙げた日本人では黒田博樹(広)の203勝を筆頭に9人目。初勝利はダイエー時代の03年4月9日西武戦。また、日本での通算奪三振が1762(歴代33位)となり、ソフトバンクでは杉浦忠(当時南海)の1756奪三振を抜く球団最多記録になった。なお、チームで41歳以上のシーズンに2勝は、91年今井雄太郎(42歳シーズン=当時ダイエー)の1勝を上回る最多勝利。

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2022年6月20日のニュース