秋山が日本球界復帰を決断 獲得へ古巣・西武とソフトバンクが一騎打ち

[ 2022年6月20日 05:30 ]

秋山翔吾
Photo By スポニチ

 パドレス傘下の3Aエルパソから自由契約となった秋山翔吾外野手(34)が18日(日本時間19日)、日本球界復帰を決断したことを明らかにした。近日中に帰国する。20年にレッズに移籍も満足な結果を残せず、志半ばでの日本復帰となるが、実績抜群のヒットメーカーには古巣・西武の渡辺久信GM(56)が獲得に向けてオファーを出すことを明言。ソフトバンクも興味を示している。

 不完全燃焼のまま、秋山のメジャーへの挑戦が終わりを告げた。「代理人から、米球団からオファーがなかったと伝えられた。帰国して次の決断をしたい」。3Aエルパソを自由契約になった際には「米国で戦いたい気持ちはある。もう“ひともがき”したい」と決意を示していたが、声をかけてくれる球団は現れず。34歳は再出発の地に日本を選んだ。

 米国では結果を残せなかったが、日本では15年のシーズン最多216安打など抜群の実績を誇る。日本球界復帰なら19年以来3年ぶりで、あらためて獲得の意思を示したのが古巣・西武だ。4月に秋山がレッズからFAになった際も「当然、戦力と考えている」とオファーを出した渡辺久信GMはこの日「以前から申し上げている通り、日本球界への復帰を決断したのであれば、当球団としてはオファーは出したいと思います」と宣言した。

 西武はリーグ5位のチーム打率・223と貧打に苦しむ。秋山の移籍以降は1番打者も定着しておらず、復帰のメリットは大きい。外野陣は新外国人で8本塁打のオグレディ、成長著しい愛斗、若林らがいるが絶対的なレギュラーは不在。ベテラン栗山も今年9月で39歳になるだけに、秋山が中堅に入れば攻守でチームの力になる。

 一方で以前から動向を注視していたソフトバンクは今後に本格調査に入る見込み。現在リーグの首位を走ってはいるが、栗原が左膝前十字じん帯断裂で今季中の復帰は絶望。打率・301をマークしていた上林も右アキレス腱断裂で離脱中だ。外野手の駒が不足する中、秋山が加わって看板選手の柳田とコンビを組めば鉄壁の布陣となる。三笠杉彦GMは「日本を代表する素晴らしい選手と評価している。状況を調査していきたい」とコメント。現状は西武と「一騎打ち」となる様相だ。

 20年に西武からそれまで30球団で唯一、日本選手がプレーしていなかったレッズに移籍も、パワー重視の野球に苦しみ、故障にも泣かされた。大リーグでは2シーズンで142試合に出場して、打率・224、0本塁打、21打点。無念の思いは、日本の地で晴らす。

 【秋山今季の経過】
 ▼22年3月14日 アリゾナ州グッドイヤーで春季キャンプ初日。レッズとは3年契約最終年で「活躍したいという気持ちは凄く強い」。
 ▼4月3日 オープン戦で打率・182と低迷し、レ軍が開幕ベンチ入りの28人から外すと発表。開幕直前に事実上の戦力外となり、秋山は「結果が全ての世界。メジャーではよくある。驚きはない」。
 ▼同5日 レ軍から自由契約に。
 ▼同29日 古巣・西武の渡辺久信GMが獲得に乗り出すことを明言。「コンタクトは取っている。しっかりオファーを出す」。ソフトバンクも興味を示す。
 ▼5月7日 パドレスとマイナー契約を結ぶ。「もう一度米国で野球をするチャンスを与えてくれたパドレスに感謝している」とコメント。
 ▼6月7日 新型コロナウイルスに感染して負傷者リスト(IL)入り。
 ▼同15日 パ軍から自由契約となったことを自ら明らかに。「まだ米国で戦いたい気持ちはある」。傘下3Aエルパソでは16試合に出場して打率・343、3本塁打、21打点。
 ▼同16日 エルパソが自由契約を正式発表。

 ◇秋山 翔吾(あきやま・しょうご)1988年(昭63)4月16日生まれ、神奈川県横須賀市出身の34歳。横浜創学館から八戸大を経て10年ドラフト3位で西武入団。15年にプロ野球記録のシーズン216安打を記録するなど最多安打4度、17年には首位打者に輝いた。20年に海外FA権を行使しレッズへ移籍。日本人初の同球団所属選手となった。1メートル82、83キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月20日のニュース