松坂大輔氏 200勝の夢をマー君に託す「自分が見られなかった景色を見せて」

[ 2022年2月10日 05:30 ]

松坂氏(左)と談笑する田中将(撮影・篠原 岳夫)
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 メジャーから古巣に復帰して2年目を迎えた楽天・田中将大投手(33)が沖縄・金武キャンプを視察したスポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(41)から夢を託された。現在、日米通算181勝で同170勝で現役を終えた「平成の怪物」から「200勝」、そしてその先の「250勝」の達成にも太鼓判を押された右腕は同氏が見守る前でブルペン投球も実施。昨季4勝だった右腕が順調に歩みを進めている。

 投球練習を終えた田中将は、ブルペンの脇にいた先輩のもとに駆け寄った。帽子を脱いで「現役、お疲れさまでした」とあいさつ。松坂氏から「昨年はイレギュラーだったもんね」と振られ「はい。昨年はバタバタしていたけど、今年はここまで良い感じできています」と笑顔で返した。

 ドタバタの入団で第2クールから合流した昨春キャンプとは違い、今年は万全の状態で1日にキャンプイン。初日からブルペンで捕手を座らせて36球を投じ、すでに全球種を解禁している。4度目のブルペンとなった9日は初めてクイックも試し、より実戦を意識して74球を投球。松坂氏も熱視線を送った。

 ともに高校時代は「甲子園のスター」としてファンに鮮烈な印象を残し、プロ野球、メジャーでも活躍。日米通算170勝でユニホームを脱いだ松坂氏が同181勝の田中将に寄せる思いは強い。託したのは「200勝」の夢。「自分自身が見ることができなかった景色を田中投手に見せてもらいたいと願っています。周囲は200、250、さらにその先を期待していると思いますし、田中投手ならそれも達成できると思っています」と期待した。

 大台まで残り19勝の田中将も「平成の怪物」からのメッセージをしっかりと受け止めた。普段は数字の目標は口にしないが、この日ばかりは「200勝という数字に一歩一歩、近づいていくことができれば」と言った。偉大な先輩から背中を押された。強い決意を胸に、調整を進める。(重光 晋太郎)

 《横浜高の後輩涌井、渡辺佳らのグッズ購入》今回のキャンプ地訪問では各球団の後輩のグッズを購入している松坂氏。この日もグッズショップで横浜高の後輩である涌井、渡辺佳のキーホルダーなどを買ったが、田中将の「マー君」と書かれたタオルも購入した。涌井は2軍のため会えなくて残念がっていたが、その代わりにグッズを買い求めて笑顔を見せていた。

 ▽マー君と怪物 ともに甲子園優勝投手。田中将の楽天入団は07年で松坂氏は同年からレッドソックスでプレーするなどNPB、MLBでの投げ合いはない。09年の第2回WBCはチームメートで田中将はチーム最年少の20歳で松坂氏は2大会連続MVP。世界一連覇を達成した翌日の会見では田中将が「次は(松坂氏の)18番をつけられるよう頑張ります!」と宣言して会見場を沸かせた。

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