【キャンプ虎番ルポ】ブルペンは研究室!?ボールの回転数など計測できるハイテク機器がいっぱい

[ 2022年2月10日 05:30 ]

“研究室”のような宜野座のブルペン
Photo By スポニチ

 宜野座のブルペンは研究室のようだ。ボールの回転数や変化の大きさ、精密な軌道、回転軸などが測れる計測器「トラックマン」、「ラプソード」が置かれ、6つある投球レーンには、全てビデオカメラが設置されている。捕手の背後には、球団の戦略・分析担当者が、パソコンを手に見守る。藤浪ら、選手によっては、時にその画面をのぞき込む。

 回転数などのデータや取り組みの内容は機密情報のため、表に出ることはない。分かっていることは、全選手、チームスタッフにタブレット端末が配布され、練習や試合の見たい映像などがすぐに検索できること。ドラフト2位左腕・鈴木はプロのハイテクな環境に触れ「思っているフォームと映像では違う部分がある。理想のフォームに近づけたい」と語り、回転数や映像を状態の把握の参考にする考えを示した。

 最新機器のメリットは、相手の分析もさることながら、自分を高められることだ。邦題「アメリカン・ベースボール革命」(化学同人)には米国の科学野球の現在地が記されている。高速度カメラや動作解析機器の活用が、変化球の新軌道、球速アップ、打者の長打力アップのスイング体得をもたらし、その結果、日の目を見なかった選手の活躍例が急増。最新テクノロジーを駆使して選手を育てる“育成新時代”の様子が描かれている。

 もちろん、機械は万能ではなく、コーチの目は不可欠だ。科学と人知が融合され、突然、長距離砲に生まれ変わったり、鋭い変化球で覚醒する選手が、日本でも誕生するかもしれない。(阪神担当・倉世古洋平)

続きを表示

2022年2月10日のニュース