16年“ドラフトの目玉”6年目の初勝利へ「今年は攻め続ける」、ソフトB・田中正義インタビュー

[ 2022年2月10日 05:30 ]

ここまで順調な調整を続けるソフトバンク・田中正義。6年目、待望のプロ1勝を目指す(撮影・中村 達也)
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 2年ぶりのV奪回を狙うソフトバンクの宮崎春季キャンプは第2クールが終了し、10日から第3クールに入る。16年ドラフト1位、田中正義投手(27)はオフに千賀と自主トレを敢行し、手応えは上々。藤本博史監督(58)に先発の一角として期待され、昨秋キャンプでは投手部門のMVPに名が挙がった。開幕ローテーション入りとプロ初勝利への思いなどを聞いた。(聞き手・井上 満夫)

 ――3日にフリー打撃、8日にシート打撃登板を終えた。現状の感触、仕上がりは。
 「身体は凄い順調にきて、自分の球に変化も感じている。あとは少しでも早く仕上げられるように投球での課題をつぶすこと」

 ――第3クールからは紅白戦。11日から5試合が組まれている。確認事項は。
 「先発として勝負していけるように。“こいつなら抑えられる”という状態に持っていく。あとは安定感と変化球。どのカウントでも変化球で三振、カウントが取れるように。自分の球をコントロールするのが一番」

 ――藤本監督は昨秋キャンプで投手のMVPに田中正の名を挙げた。秋の収穫は。
 「体に安定感が出てきた。力がボールに伝わるようになってきているのが一番」

 ――オフにはエースの千賀と合同自主トレ。心技体でどんなことを学んだのか。
 「走る、投げるが網羅されているメニューでフォームについて考える時間が濃かった。投げることに関しての研究が凄かった。変化球に関しては、どう投げれば、どう曲がるかなど自分の取り組みも指摘してもらった。手応えなどはこれからだとは思います」

 ――投げる上で、心の部分での収穫は。
 「もっと視野を広く持った方がいいなと思いました。物事の見方を変えようと努力もしてきました」

 ――キャンプインと同時に藤本監督は期待する投手として昨秋同様、田中正の名を挙げた。監督はどんな人か。
 「期待されて名前を挙げていただけるのはうれしいです。凄く情がある方です。温かく選手を見守っていると勝手に思っています。凄く選手一人、一人を見てくれる方なので、期待に応えられるように頑張りたいです」

 ――2日には創価高の先輩でもある侍ジャパンの栗山監督が視察。「本当に頼むよ。どこかでブレークするはず」と期待された。大学以来の日本代表への思いは。
 「今は何も想像していません。まず今はホークスに貢献したい。明日どう結果を出すか。その先にあること。とりあえず春、どう結果を出していくか」

 ――同じ1994年生まれにはエンゼルスの大谷や阪神・藤浪らがいる。同世代ドラ1の右腕をどう見ているのか。
 「2人とも面識はないです。藤浪選手をどうこうとは、あまり考えてなくて。(まだ)1勝したことないので他者のことは…。大谷選手は、とんでもないと思います。同じ人間がああいうふうにできる。僕ももっと頑張らないと、あきらめてはいけないなとは思いますね」

 ――正義という名の由来は。縁もあり、孫正義オーナーとも同じだが。
 「兄、姉が(両親に)正義がいいと言ったと聞いています。何とか孫オーナーにも認識してもらえる選手になりたいですね。お話ししたことはないので」

 ――ジャス、ジャスティス(正義の英訳)の愛称も浸透中だ。
 「ニックネームはありがたいですね。もっと呼んでもらえるように頑張りたいです」

 ――今季スローガンは「もっと!もっと!もっと!」。自身の「もっと!○○」にはどんな言葉が入る?
 「もっと!アグレッシブに、って感じですね。攻める、攻め続けるということです」

 ――先発の一角として、プロ初勝利のイメージをどう描くか。
 「明確に想像はつかないが、早く達成できるようにしたい。ブレークすると思って練習しないとブレークはしない。イメージできるところまで持っていく。そのためにどうするかの最中ですね」

 ――改めて6年目への意気込みを。
 「5年間、勝っていない。それでも支配下でいさせてもらっている。何とか投げて、チームの力になりたい。1年間、1軍の戦力として今年は頑張りたいです」

 ◇田中 正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日生まれ、横浜市出身の27歳。小1で競技開始。創価高では右肩痛で投手から外野手に転向。甲子園出場なし。創価大で投手に戻り東京新大学リーグ3年春から4年春まで56イニング連続無失点を記録。大学日本代表として3年夏のユニバーシアード(韓国)で金メダル。16年ドラフト会議で5球団競合の末にソフトバンク入り。マイブームはサウナ。好物は和食。1メートル88、93キロ。右投げ右打ち。

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