正捕手死守へ燃える33歳「まだまだ試合に出られる自信ある」 広島・会沢インタビュー(上)

[ 2022年2月10日 07:00 ]

正妻死守を強く誓った広島・会沢
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 広島の会沢翼捕手(33)が9日、1軍キャンプ地の宮崎・日南でスポニチ本紙のインタビューに応じた。2度の故障禍に見舞われた2021年。チームは3年連続Bクラスに沈み、自身も東京五輪への出場機会を逃した。周囲の期待はあっても、揺らぎつつある正捕手の座。厳しい状況に会沢は「まだまだ試合に出られる自信はある」とし、正妻死守を強く誓った。

 ――キャンプでは結構な量を走っています。
 「そうですね。自主トレから筋トレはあまりせずに、走ることを意識していました。多くの人に“30歳を超えたら走っておいた方がいいよ”と言われていたので、今年はやってみようかなと思って」

 ――まだ序盤だけど、状態は良さそう。
 「すこぶるいいですね。ちょっと怖いくらいですし、自分でブレーキをかけています」

 ――昨季はケガもあって悔しいシーズン。改めて振り返ると。
 「情けないですよ。ケガすること自体がダメですが、2度も離脱しているんだから。特に2回目(6月の左下腿腓腹=ひふく=筋挫傷)は“防げたかな”という思いがあるんでね。あの時は稲葉さん(篤紀=当時の侍ジャパン監督)からも電話がかかってきて、早めに仕上げたいという気持ちがあり、自分を抑えられなかった。教訓にしないと」

 ――故障防止へ、取り組んでいることは?
 「走ることが一番ですね。それと足回り。股関節がどうしても硬くなってくるので、柔軟に動けるようにトレーニングを継続しています。若い頃は、そんなことを考えなくてもできたのにね。オフは体幹から下半身を意識してやっていました」

 ――昨季は坂倉が好成績を残しました。それでも広島の正捕手は会沢という期待の声が、相変わらず大きい。どう受け止めますか?
 「結果の世界ですからね。周りの評価はどうであれ、自分自身がしっかりプレーすることの方に目を向けていきたい。ケガをして離脱していたら評価されないんですよ。チームが3年連続でBクラスに低迷する責任を感じていますし、リーグ3連覇した時の雰囲気がどうしても頭をよぎってしまい、イラ立ちも感じる。何でうまくかみ合わないんだろう…と。勝負の世界はそんなに甘くはないけど、その前に僕自身が試合に出続けて、結果を残していかないといけない。そのことは強く思っています」

 ――周りの評価はありがたいけれど、結果を残してこそ…と。
 「そうですね。3連覇した時は試合にもそれなりに出ていましたし、そういう面ではモノ足りない…と、自分でも感じています。捕手は、チーム成績が良くないと評価されないポジション。少なくとも僕はそう思います。いくら打とうが優勝しないと。ヤクルトの中村(悠平)なんて典型的ですよ。もともと良い捕手だと思っていましたが、日本一になって、シリーズMVPに選ばれて。あれが理想かな…と思います」

 ――今季で16年目。でもまだ今年4月で34歳です。新井(貴浩)石原(慶幸)を間近に見てきてもいる。40歳まで現役を…と思うかどうかは別にして、まだまだ老け込む年齢ではない。
 「その通りだと思います。34歳なんてまだまだ。出る、出ないは僕が決めることじゃないけど、(正捕手として)試合に出られる自信はまだまだあるし、そこの準備はしっかりやりたい。その気持ちが薄れたら辞める時だ…と僕は思います。でも、意欲はまだまだありますよ。試合に出たいと強く思っています」

 ――できることなら、2人のように40歳ぐらいまで現役生活を続けられたら…と。
 「もちろん、遠い目標としてはあります。40歳まで現役生活を続けられるプロ野球選手は、ほんのひと握りですからね。ただ、遠い目標は遠い目標として持っておきつつ、近い目標も持っていないといけない。それには、やっぱり試合に出続けること。現役を続けたくても、来季の契約を結ばないと言われたら終わりなので。近い目標は必ず立てて、毎シーズン臨むようにしています」

 (下につづく)

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