広澤克実さんが語る厳しくも愛情豊かな島岡御大「監督の悪口を言ってる人、1人も聞いたことない」

[ 2022年1月30日 20:32 ]

広澤克実氏
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 元プロ野球選手で、スポニチ本紙評論家の広澤克実さん(59)が30日、TBSラジオ「日本生命presents石橋貴明のGATE7」(日曜前7・00)にゲスト出演。1学年上にあたる、お笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明(60)と大いに語り合った。

 現役時代にヤクルト、巨人、阪神と在籍した全3球団で4番打者を務め、全てのチームで優勝を経験したレジェンド選手の広澤さん。同番組への出演は昨年4月の番組スタートから早くも3度目となったが、この日のテーマは「球界の一大勢力!明治大学野球部を深掘り」だった。

 広澤さんは明大から1984年ドラフト1位でヤクルト入りしたが、現役プロ野球選手の出身大学で最多を誇るのが明大。史上最長となる12年連続でドラフト指名選手を輩出しており、そのうち2020年セ・リーグ新人王の森下暢仁投手(24=広島)ら8人がドラフト1位という輝かしい実績を持つ。そして、明大野球部といえば、その礎を築いたのが歴史に残る名物監督で“御大”と親しまれた島岡吉郎さん(89年に77歳で他界)。広澤さんもその薫陶を受けて育った。

 島岡御大の厳しくも愛情あふれる指導の数々は今でも語り草になっており、その人生はテレビドラマにもなったほど。広澤さんは「早慶落ちて明治に来たなんて絶対に言えないんですよ。大っ嫌いなんで、早慶が。打倒・早慶で生きてますから」と島岡監督の闘争心について“解説”。早大、慶大に負けた日の怒りはそれはそれはすさまじく、神宮球場から寮に戻った午後5時ごろからすぐに練習を始め、同10時ぐらいに終わってようやく寝ていると、深夜の1時や2時には365日ともに寮生活を送っている御大の部屋から「うわぁ~!負けやがって!コノヤロー!」と甲高い声が聞こえてきて「みんな起きろ~!」の声が響き、そこから練習再開。朝5時、6時まで練習して校歌を3番まで歌い、朝食を取った後に再び神宮球場に向かったこともあったという。「寝てないじゃん!」という石橋に「寝てないですよ。でも、勝っちゃうんですよ、それが。不思議なことに」と楽しそうな広澤さん。石橋はもう大笑いだった。

 それでも、厳しい中にも選手への愛情があふれていたため逃げ出す選手はおらず「島岡御大の教え子っていっぱい…何世代もいるじゃないですか。監督の悪口を言ってる人、1人も聞いたことないですね。エピソードはいっぱいありますけど。こんなことされた、こんなことあったって笑い話のやつはありますけど。『あの島岡の野郎!』なんていう人は1人もいない」と広澤さん。4年生の就職に際しては監督自ら奔走し「この島岡が育てた男です!御社で間違いなく力になりますから!」と頭を下げて各企業を回ったという島岡御大。広澤さんは「みんな、御大のことは好きでしたね…」と恩師についてしみじみと話していた。

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2022年1月30日のニュース