楽天ドラ1早川 上々打撃投手 48球で安打性4本 20日に日本ハムとの練習試合でデビューへ

[ 2021年2月13日 05:30 ]

フリー打撃に登板する早川 (撮影・白鳥 佳樹)      
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 楽天のドラフト1位・早川隆久投手(22=早大)が12日、今キャンプで初めてフリー打撃に登板。和田、小郷に対して計48球を投じ、安打性の打球を4本に抑えた。当面の目標である開幕ローテーション入りに向けて順調にステップを踏む新人左腕は20日の日本ハムとの練習試合(金武)で実戦デビューする可能性が高い。

 早川の左手には確かな手応えが残った。フリー打撃とはいえ、プロの打者との初対戦。最速155キロ左腕が投じた計48球でボール球はわずかに9球だ。見逃しストライクも9球。見事な制球力で能力の片りんを見せつけた。

 「直球の状態はある程度上がってきた。ちょっと真ん中に入った球でも差し込まれている感じがありました」

 3球あった空振りはいずれも直球。許した4安打のうち3本は変化球で、しかも打者に球種を伝えている。自慢の直球が特に際立った場面は和田の2打席目。初球から2球続けたカーブでともに見逃しストライクを奪い、3球目は狙い通りに外角低めに直球を制球。バットに空を切らせた。試合形式なら圧倒的な空振り三振。和田は「良い投手だった。これぞドラ1。球の出どころも見づらいし制球も良い」と脱帽した。

 緩急を生かす上で有効だったカーブ。実は前日に同球種を得意とする岸から握りと投げ方を教わった。手首を曲げず、直球に近い感覚で投げるという助言を授かり早速実践。器用さも兼ね備える左腕は「目線が一瞬浮くので打者は見送りやすい。カーブの使い方は今後、ポイントになると思う」とうなずいた。

 次のステップはいよいよ実戦だ。順調なら20日の日本ハム戦がデビューの舞台となる。その後は開幕までに5度の実戦登板を重ねる予定。田中将、則本昂、岸、涌井で構成される12球団屈指の先発陣に将来性を見込んで早川を組み入れたい石井監督は「結果よりもプロセスを大事にしてほしい。一年通して戦える準備をしてほしい」と期待する。

 第2クール最終日の9日には田中将と会話する機会に恵まれた。1年目のキャンプの過ごし方について質問すると「覚えてないけどケガせず、無理せずやっていくのが一番」と返ってきた。「自分としても気が楽になった」と早川。黄金左腕は着実に成長を続ける。(重光 晋太郎)

 ▼楽天・小山投手コーチ ブルペンよりもさらにまとまっていた。突然、球が出てくる感覚。カーブもよく曲がっていたし、チェンジアップの抜けも良いので楽しみ。

 ▼楽天・小郷 ソフトバンク・和田さんみたいなイメージ。出どころが見づらくて、気づいたら手元に球がきていた。

 ▼オリックス・三輪隆スコアラー 直球がいい。打球が前に飛んでいなかった。ブルペンより球速が出ていて力もある。普通にやったら勝てる投手。

 ◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日生まれ、千葉県横芝光町出身の22歳。上堺小1年からソフトボールを始め、横芝中で軟式野球部。木更津総合では1年秋からベンチ入りし、2年春、3年春夏に甲子園出場。早大では1年春から東京六大学リーグ戦に登板し、通算成績は14勝12敗、防御率2.51。3年時は大学日本代表として日米大学選手権で優勝した。趣味は映画観賞。1メートル80、76キロ。左投げ左打ち。

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2021年2月13日のニュース