「脱力」の阪神・遥人は手ごわい 130キロ台の直球主体に2回無失点「6割くらいが一番良い」

[ 2021年2月13日 05:30 ]

阪神紅白戦   紅組1ー0白組(特別ルール) ( 2021年2月12日    宜野座球場 )

阪神紅白戦の2回1死、井上を空振り三振に仕留め、ハニかむ紅組先発の高橋(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 昨季の最速150キロには遠く及ばない。初回に投げた直球は、ほとんど130キロ台の前半。2回も1球あった最速145キロ以外は、ほぼ130キロ台だった。2月中旬の調整途上を考慮しても、遅く感じる球速。決して故障ではない。阪神・高橋には“脱力”に徹した狙いがあった。

 「思い切り投げたボールが2、3球あって。(力の入れ具合は)6割ぐらいじゃないですか。それが一番良いと思ったので」

 全力でムチのように腕をしならせる通常と違い、力感なく終始ゆったりとしたフォームで打者に対した。「ブルペンもずっと良くない。昨年シーズン後半にやった力を抜いて投げるというのを…」。前回7日の紅白戦は2回3失点。現状を打破すべく頼ったのが“脱力投法”だった。

 昨年10月5日の巨人戦では球速を130キロ台に抑えた直球主体で自己最多14三振を奪って1失点でプロ初完投。今春2度目の紅白戦で再び採り入れ、何とか2回無失点に抑えた。当然ながら「今日みたいなピッチングはいつ打たれてもおかしくない」と球威、球速を上げていくことも課題として自覚した。

 矢野監督には「全力で投げることだけが抑えることに結びつくかと言えば違う。一つの引き出しになる」と試行錯誤を認められた。「今の自分をしっかり見つめて取り組んで行ければと思います」。不調の春に進化の道を模索していた。(遠藤 礼)

 ▼中日・金子スコアラー 昨シーズン最後はちょっと球速が落ちてるときがありましたけど、打者の反応を見ても球速以上にいい真っすぐを持っている。

続きを表示

2021年2月13日のニュース